満足度★★★
お馬鹿もいいものだ が
楽しく観せていただきました。
絵本の中身が現実に、しかもそれはレジスタンス運動に、観光客が巻き込まれるというハチャメチャもの。
奇想天外、支離滅裂。
途中で何度も笑ったり、強要された拍手(笑)をしたりと、劇団と観客との一体感も感じ取ることができました。
続いて、私なりの気になる点です。
①お馬鹿になって、笑いとばせば、それはそれでいいのですが、ちょいと中途半端なストーリー、リアリティといった印象でした。とりわけ「継承者」の二面性については、もっともっとコントラストを強くさせてほしかった。「遊び人の金さん」を、さらに自堕落にした印象から、私の気持ちを、あまり脱することができないまま、劇が終わってしまいました。
②笑いをとる場面・しかけがいつも同じパターンです。1つの台詞に対して、すぐ後に続く「つぶやき」が、ほとんど。漫才で言うと、つっこみの台詞だけが、笑いのタイミングです。もちろん、それも否定するものではありませんが、それだけではねえ。台詞の本流に笑いを盛り込んでほしかった。
若い俳優さんばかりで、それぞれの「伸びしろ」を感じる劇団です。
”サブリミナル”?
盛りだくさんのエンターテインメントな作風で楽しくはあるのだけど。訴えたいメッセージがかなり霞んでしまっているというか‥。もっとストレートに”現実”を斬り込んで欲しかった。正直ちょっと長いなぁと感じてしまった。