満足度★★★
英語劇でミュージカル
ワイルダーの「わが町」はここ数年世界中で上演され、
震災後は特に“ふるさとと家族”を再認識する意味でも好まれるようになった。
結婚や、死さえも自然な出来事のひとつとして人々の暮らしが淡々と描かれていく。
2012年のMPは、それを生演奏をバックに歌うミュージカルにした。
狂言回しであるStage Manager役の英語がきれいでとても良かった。
最初は硬さがあったが次第に英語本来の抑揚が伸びやかになった。
両家の母親役は、共に無対象の演技が延々続く難しい役だが
動作がとても美しく、見ていて飽きない。
Emily役と彼女の母親役はとても歌が上手い。
古き良き時代のスタンダードナンバーを数曲取り入れていたが
こんなに上手な人がいるならもっとたくさん歌でつないでも良いと思う。
ストーリー自体に劇的な変化がなく、しみじみとした味わいの作品だから
若い人には難しい部分もあったと思う。
日本語で台詞を言うのも難しいのに、英語となればなおさら台詞より言語に気を取られる。
歌はそれらを補うのに効果的だし、若さと華やかさを活かせると思う。
出演者・スタッフ100人近くが参加したこのパフォーマンス、
最後のカーテンコールで全員が舞台に上がって歌とダンスを披露した。
ダイナミックなMPの活動を象徴する場面だった。
会場は学生で埋め尽くされていたが
演劇としてもっと一般の人も呼べるようになって欲しい。
今後の活躍に期待します。