実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/02/05 (水) 15:05
方向音痴だという女性に問われて親切心から案内した男性だったが何故か元の場所に戻ってしまい……という不条理な状況から始まる(一種の)ファンタジー。
その不可解さというか不思議さというかがどこか夢の中のような感覚だが途中でこの会場の特質を活かし会場中央の階段を下って階下に移動してからのパートが進むに連れてダークに転じ「そういうことか」と見えてきて切なくも面白い。
なお、比較的早い段階で「もしかしてそういうこと?」と予期したことが当たらずとも遠からず、こういうの、好きなんだなぁ。
それにしても「この会場ありき」の作品だけに、今後の再演が難しそうなのが残念。
実演鑑賞
満足度★★★★★
追加公演、凄くX2良かったです!
以前観た時は、真中の席に居ても声しか聞こえない場面があって、ソレはソレで色々と想像して楽しんでいたのですが、今回はほぼ見えている所で物語が進んでいたので、分かりやすかったです。
1階の明るい中で進んでいく「病院を目指す物語」は、最初は只々困っている人が増えていくという何だかよく判らない所から段々と状況が判かってきてシリアスになっていくにつれ「あー…そうだった...」と心が痛くなりました。
そして地下に移動しての「教会を目指す物語」は一転してどこか能天気な感じで楽しげに物語が進んでいくのが面白かったです。
妹が出てきて、とうとうこの世界で起こっている事が判る所、すごく良かったです。
姉に現実を知ってもらって、戻る決心をさせる為に辛い役目をしなくてはならない葛藤のような物と感謝を伝えて決心して立ち去る妹がとても良かったです。
最後の生きる決断をして3人にも決断を迫るシーンから、ひとりまたひとりと涙ながらに決断して立ち去るシーン 皆が格好良かったのと本当に辛い決断をしているのが分かって涙が出ました。
本来なら生き残れるという幸せな筈の人達が辛く苦しみながら進み、もうあの世へ行く人達が物見遊山な感じで行くところが印象的でした。
終演後、帰り支度をしている人達を見ていたら、どちらかを選んで進んで行く人に見えてきて不思議な気分でした。
手元にあった整理券には 「ひかりあるところ」が次の目的地らしいので、そこに辿り着きたいですね。
毎回々々思うのですが、こうやって素晴しい物語を目の前で繰り広げて貰えることに感謝しかありません。
次回公演も楽しみにしています。
有難う御座いました。
実演鑑賞
満足度★★★
その時、私には冷たい雨粒と水飛沫が確かに見えた。
抽象的な空間、抑制された演技の中に立ち上がる一瞬のリアル。
人それぞれ、刺さるセリフは違うと思うが、
決め台詞があって、それに向かって全てを創っていく
作劇はなんて贅沢なんだろうと。
独特の形状の会場の優しい色と空気に包まれて、そんなことを
思った観劇体験だった。