実演鑑賞
満足度★★★★
個人的には尾上寛之さんを見ているとあばれる君を思い出してしょうがないのだが、この芝居では尾上氏のそういう風貌が実に合っていると思われた。別のチームのほうは観ていないが、どんな感じなのだろう。チェーホフの引用はなかなか巧い。
実演鑑賞
満足度★★★★
恐らく10年以上前に観た鄭義信作の四人芝居「アジアンスイーツ」が良かったのでその後上演のあった本作も観たが、もう一つだった記憶。笑いの仕込みが効果を持つためのベースとなる人情の層が脆かった印象で、脚本の強度の問題か、役者の問題かと考えたものだった。今回そのリベンジを、と速攻で予約したが、鄭義信氏による演出は前回も同じであった(認識違い)。アララと若干の失意を覚えるも、今回は村岡女史の出演である。久々の浅草九劇の客席に滑り込み、煌々と露わな舞台上のリアルに雑然としたコタツのある畳部屋を眺めながら開演を待った。
村岡希美の登場。書籍を抱え両手塞がった状態でコタツ脇へ足を運ぶと灰皿を引っ掛けそこに足を突っ込み、「うわちちち」と足を挙げて下せば雑巾がけの水が残ったバケツの中、「あっ」。徐に足を出し、靴下を脱ぐ。白金に染めたショート、セーターとパンツ。こういうリアルにアットホームな村岡女史は見た事がなかった。やがて浅野雅博の登場。クリスマスを舞台にしたハートフル・コメディは二人芝居だけに役者の負荷は大きい。そして最終的に本作は女性主導の芝居と言え、村岡希美の出色の演技(隙が無く完璧)により、出色の舞台になった。