ご多分にもれず、ふつう。 公演情報 ご多分にもれず、ふつう。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★

    発想の転換
    女性ダンサー3人と「舞台美術」と称された男性8人によるパフォーマンスで、失笑を呼ぶようなユーモアの中にメタシアター的な仕掛けが仕組まれた、興味深い作品でした。

    白い衣装を着て林のように立つ「舞台美術」の合間を縫うように赤い衣装を着たダンサーが現れ、ダンサー同士はあまり絡むことがなく、それぞれ何となく物語性が感じられるダンスを踊り、手首と足首だけを使ったユニゾンを踊るという流れが形を変えながら繰り返される構成で、最初はいかにも舞台美術然としていた男性達が次第に動きを増し、手前に並んでダンサーが踊っているのを見えなくしたり、合図によってダンサーの動きをコントロールする様子が印象的でした。

    開演前のBGMの合間に舞台美術の人達へのインタビューの録音が流れたり、途中でダンスが何を表していると思うか美術の人達が会話する録音が流れたり、美術の1人が途中でトイレに行ってしまったりと、作品のフレームの外側を意識させる演出が多く、脱力的ながらも刺激的でした。
    踊れない人間をそのように扱うのではなく、動く舞台美術として扱うことによって、ダンス作品の中に非ダンス的なバラバラでだらしない身体性が存在することを「あり」にしていて、見事なアイディアだと思いました。

    構成・演出は良かったのですが、純粋な身体表現としてのダンスという観点からすると、振付やダンサーの動きに少々物足りなさを感じました。

    悪魔のしるしの危口統之さんを迎えてのアフタートークは、白神さんが踊る数分間のソロに危口さんが舞台美術の演出をするというもので、面白い試みだとは思いますが、グダグダな結果になってしまっていて、もっと突っ込んだトークをして欲しかったです。

  • 満足度★★★★★

    無題335(12-078)
    15:00の回(晴)。ダンスでこんなに吹き出すとは思いませんでした。いかにも頼りなさげな男子諸君の好演があったからこそ。木村さん3作目。

  • 満足度★★★★

    タンサーと舞台美術の相乗効果
    舞台美術という建前が
    確信犯的に使われていてとんでもなく面白かったです。

    ダンサーたちの秀逸さを楽しみながらも、
    オブジェ的な舞台美術に強く心を惹かれる。

    無機質を装うことで滲みだしてくる
    すてきにどこか曖昧で、
    人間臭い生々しさにも
    やられてしまいました。

    ネタバレBOX

    STスポットの素舞台、
    3人のダンサー達のパフォーマンスの描き出すものには
    まがいものではない切れと
    圧倒的な豊かさがあって・・・。

    コンテンポラリーダンスのメソッドをしっかりと持って
    作り手独特のウイットと広がりのある表現に
    まずは目を奪われる。

    で、舞台美術の皆様も、
    オブジェっぽく形を作っていく。
    最初は当日パンフレットのクレジットどおり、
    体を使った舞台美術くらいの気持ちで眺めている。

    でも、そのオブジェたちが
    ダンサーたちの動きに対して
    だんだん無機質に見えなくなってくるのです。
    冒頭に観る側の頭に置かれた、
    美術であるという前提を乗り越えて
    眼前に広がる個性のようなものが
    次第に沁み出し観る側に流れこんでくる・・・。

    ダンサーたちの編みあげるイメージが
    舞台を満たせば満たすほど
    舞台美術諸氏から引き出されてくるものがある。
    それが、ダンサーの動きとして定義されていないことで
    観る側には多層的な印象が現れる・・・。
    こう、上手く表現できないのですが、
    ダンサーたちと舞台美術の
    それぞれが相乗効果となって、
    互いが互いをさらに浮かびあがらせるのです。
    舞台美術と称するものが
    観る側の視野を遮ることも、
    ダンサーたちの動線を阻害することも
    あるいはひとつのニュアンスにマージしていくことも
    これまでに観たことのないような
    豊かさを引き出していく。

    気が付けば、
    作り手がしたたかに差し込む
    舞台美術たちの舞台の外側での素の質感にも導かれて、
    観る側の視野は
    舞台の編み上げられたイメージの
    もう一歩外側にまで広げられていて。
    ダンサー達の動きと同じくらいに・・・、
    いや、それ以上に舞台美術の皆様の
    それぞれの個性が観る側に入り込んでくる。

    これ、おもしろい・・・。

    ダンサー達の表現のクオリティが際立っているからこそ、
    見えてくるものだとは思うのです。
    でも、同時に舞台美術の皆様それぞれの
    素材を引き出す力が
    仕組みに内包されていて、
    彼ら一人ずつの個性が素敵に目に入ってくる。
    終わってみれば
    むしろ、ダンサー達が彼女たちが表現するものを
    時には逆転して
    オブジェであるべき
    舞台美術の皆様の印象の方が強く鮮やかに残ってしまうほど・・・。
    それらを見栄えにして、
    ニュアンスの塊に仕立て上げる
    作り手の慧眼と構成力の秀逸さに舌を巻く。

    ほんと、幾重にも惹かれるものを持ったパフォーマンスだったし、、
    この作り手だからこその、
    さらなる広がりの可能性を持ったメソッドのお披露目のようにも
    感じたことでした。
  • 満足度★★★★★

    小空間にピッタリ
    上演時間60分。STの小空間で、持ち味をたっぷり出していた。「舞台美術」と称し踊らない男性達をセットとして使用。その中を3人の女性ダンサーが気ままに動き、踊る。モモコンとは対極の印象を持っていた木村愛子が意外と似合っていた。

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