満足度★★★★★
初観劇
すっとぼけた空気の作品。
観終わった直後はピンとこなかったけど、思い返しながらの帰り道でぽろっと涙がこぼれてきた。
最近の演劇シーン流行りの「ナルシズムに満ちた汗」も「感傷的な叫び声」もこの作品にはない。
照明もセットも音楽もほとんどない中、時制や空間があっちこっちする、あくまで飄々とした語りによって浮かび上がるのは、大きな時間の流れの中で「生きている」ことの不思議、と痛み。
日常の中で、傷としてあふれ出ることもできずに膿んでしまっている、そんな痛みの存在が、登場人物への距離感を絶妙に保った演出によって、じわじわと、じわじわと染み入ってくる、そんな感覚が非常に印象的。
安いし、面白そうだし、と思って初めて観た劇団だったけど、予想してた以上に素敵な作品に出逢えたという感じ。
迷ってたけど、観に行ってホントに良かった。
次回公演も楽しみにしています。