満足度★★★
戦時中と現代の大学生
学徒出兵した大学生達の手紙や手記をまとめた本『きけ、わだつみのこえ』が原作のミュージカルで、戦場にて悩む若者の姿がドラマティックに描かれていました。
現代の大学生7人が読書会のサークルで『きけ、わだつみのこえ』を読むことにし、朗読から次第に再現ドラマに移行していく構成で、現在の大学生と過去の大学生を対比させることによって、戦争の悲惨さや「明日」のかけがえのなさを共感させながら伝える作品でした。
男性6人と女性1人のキャストは、現代の学生、当時の学生、現地の中国人、といくつもの役を次々に演じ分け、歌も熱唱でした。
テーブルを組み合わせて零戦に見立て、舞台奥から客席側に打たれる照明を用いて、空を飛んでいるのを表したシーンが美しかったです。
曲自体は悪くなかったのですが、打ち込み音源による伴奏がいかにも機械的なノリ・音色だったのが残念でした。打ち込みでオーケストラを模すよりも、ピアノ1台だけの生演奏の方が音楽的に盛り上がると思いました。