満足度★★★★★
情緒深く、とても良かったです。
『金色夜叉』原作尾崎紅葉の病死により、未完のまま遺作となっているそう。あの熱海での有名すぎる別れのシーン後、貫一が高利貸しと言う生き方をしたという位の記憶しかない私なので、どの程度の脚色なのか解らないが、原田一樹さんの構成・脚本・演出は素晴らしいと思いました。花道のある舞台美術や役者さん達も、とても魅力的でした。夢があるからの葛藤と言うより、現実を知る故の葛藤の描き方も、大人向けで見応えあり、無常の世でも、情を信じたいと思ってしまいました。
満足度★★★★★
こんなに深い物語だったのか
タイトルだけで俗っぽさの塊のようなイメージをもっていたのだが、実は何も知らなかったのだと思い知らされた。
キンダースペース版とあるので、もしかすると原作とはかなり違うのかもしれないが、個々の描き方の細やかさ、それに応える役者さんたちの素晴らしい演技に、驚きのような思いをもって舞台を観ていた。
(肝心なところでの台詞のカミは残念!)
時代は明治でも、描いているのは人間の普遍・・・と思ったのだが、もしかすると作家は、現代の我々だからこそ共感できる物語に作り変えたのかもしれない。
登場人物の心の揺れを追いかけていくうちに、これは時代背景を借りた「現代版・金色夜叉」であるという気がしてきた。
いずれにせよ、非常に完成度の高い、楽しめる舞台となっている。
満足度★★★★★
残席貴重
現代演劇の素晴らしさが凝縮。とにかく本がよくて、文学作品らしさを尊重しながら、いま新たに戯曲化された言葉と構成の素晴らしさ。として俳優や美術も魅力的で惹きつけられる舞台でした。