アビゲイルのパーティ― 公演情報 アビゲイルのパーティ―」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    皆さん、本当に素晴らしかったです。
    繊細な演技と、張りつめたテンションのおかげで、約2時間、全く飽きることなく惹きつけられました。一瞬の弛みも感じられませんでした。
    セリフに詰まることもほぼなく、(少し怪しいときも、違和感なくカバーされていました)声量も充分で、聞き取れない言葉も全くありませんでした。
    全員の方がが基礎から真剣に稽古されたであろうことが伝わってきました。

    ネタバレBOX

    椅子のみの素舞台が、パントマイムの力で本当にイギリスの豪邸客間に見えてきたことにも感動で、まるで「ガラスの仮面」の「女海賊ビアンカ」のようでした。
    ほとんどのシーンで小道具もパントマイムで表現されていたので、最後の方で出てくるナイフがリアルだったのが、実に恐ろしかったです。映画「シンドラーのリスト」の「赤い服の少女」のように、ハッと思わせる演出で、これはドラマや映画では感じられない、小劇場の芝居ならではのインパクトだなと感動しました。

    そして、翻訳の力が素晴らしいです。今までこの物語は知りませんでしたが、とても奥が深く、色々な伏線が散りばめられている気がしました。初めは2時間なんて長いし、ダラダラ会話が続いているだけなら、どこかカットすればいいのに、と思ってしまったのですが、観終えた後に、あれはどういう意味だったのか、とか、一緒に観た人と何時間も考察しているうちに、全てのシーンに怪しさや隠された悪意が孕んでいることに気づきました。「これは初見じゃ分からないから3回ぐらいは観たいね」と話していました。1回目はコメディとして、2回目以降は考察の答え合わせの意味で、何度も観てみたいです。
    個人的に、もっと深く脚本を読みたいと思って調べたけれど、英語版しかなくて、この公演のために翻訳をされたのか、と思うと感動してしまいました。できることなら、脚本の和訳版を売って欲しいぐらいです。無理だと思うので、いつか自分で原作を買って和訳を思い出しながら読もうと思います。

    注文を付けるとすれば、①ダンスシーンはもう少しブラッシュアップの余地があると思ったのと(大変お美しい女優さんなのですが、ダンスやセクシーな動きのシーンだけ、日本人化してるなぁ、と感じたので)、②緞帳がないので仕方ないですが、最後、芝居が終わった後、役者さんが立ち上がったときに、死体が蘇ったのかと思ってしまって……。音楽がパッと現代風に切り替わるとか、暗転やアナウンスを挟むとか、何か終劇だとわかる演出があったら嬉しかったかなと、この2点です。

    この機会がなければ、こんな面白いイギリスの翻訳劇を観ることはなかったと思うので、無料でこのような芝居を見せていただけて感謝しかありません。

    初めて観させていただき、お話そのものも台詞回しも現代風ではないような感じだったので、つまらなかったら途中で寝ちゃうかも、なんて心配していましたが、皆さまの力量と情熱に、ただただ吸い寄せられる幸福な体験でした。
    長文まことに失礼いたしました。素人の意見でトンチンカンな内容だったかもしれません。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
  • 満足度★★★★

    海外戯曲で取っ付きにくいかな〰️と思っていたが、同意できることがめっちゃあって、海外の夫婦もあまり変わらないんだなーと思った反面、自宅でパーティーを開くことにカントリーショック😨を覚えた❗ 
    自己顕示欲が強いなー 私には無理

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    登場人物が全員微妙な距離感なんで膨大な台詞量で会話してもどこかスイングしない空気感がモヤモヤから徐々にクスクスに変わって行く面白さ♪
    一応コメディやけど演出によってはサスペンスにも出来るんちゃうかなと感じました☆邦題が【地獄のパーティー】なのも納得★
    この作品は海外のブラックコメディでコレを日本人が演じて日本人相手にコメディに仕上げるの役者さん大変やったと思うけどラストでローレンスの運命に客席から笑いが起こった(モチロン僕も笑った🤗)事でちゃんとコメディとして成立してたのが証明されました☆出演者の皆さんお見事でした\(^o^)/

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    小さな劇場公演だが、中身はどっしり演劇臭が詰まっている秀作劇です。夫婦という仮面の中に息づく人間のもろもろの本性を暴いてゆくその手法はやはりアメリカ、イギリスの方が優れていますね。

    この種の劇は映画化されているようで、この作品も「地獄のパーティ」として上演されたらしいが見逃している。古くは「ヴァージニアウルフなんか怖くない」など、作家は違えど、名作もあった。この作品のマイク・リーといえばイギリスの映画作家で超有名な監督がいるが同一人物だろうか、、。

    さてこの劇、小道具を極力排しているので俳優陣はパントマイムを強制されているが、結構その仕草等が面白く、なかなか魅力を持たらしていた。でも何より夫婦の形態が人間を逆に阻害させているというテーマ(?)は夫婦生活云十年の吾輩が日常的に経験しているもので、まさに辛酸を舐める心情がストレートに伝わってくる。怖い。けれど演劇的にも面白い素材であることがわかる。

    5人の俳優陣はまさに最高の演技。凄みが観客に伝わってくる。今年の拾い物演劇である。素晴らしかった。桝井智英さん、ありがとうございました。

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