広くてすてきな宇宙じゃないか【Mura.画】 公演情報 広くてすてきな宇宙じゃないか【Mura.画】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/10/26 (土) 13:00

    オリジナルである演劇集団キャラメルボックスで観たのはいつのことであったか?というくらい前のことで懐かしいったらありゃあしない。
    そしてかつてシアターアプルやサンシャイン劇場のような大きな劇場で観た作品をこの規模の劇場で「イマの若手」が上演するということであれこれ感慨深く、時折目が潤みそうになった(潤んだとは言っていない)。
    ラストの「あの演出」も元を知っているからもあろうが「そう見えた」し照明も手がける(本作では異なるが)奥田演出のアイデアに「そうやったか!」と快哉。
    こういうのもいいなぁ。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    この公演は「Mura.画(ムラエ)」の本公演ではなく、初の演劇研究会2024としての公演。出会ったことのない俳優とのコラボ、脚本(成井 豊氏)の魅力もあるが、俳優陣の生き活きとした演技が物語を充実させている。その意味では本企画は成功だと思う。

    初めて観る演目だが、近未来に出現しそうな世界で色々考えさせられる。同時に人を思いやる気持、その優しさ温かさは どんな時代でも変わらない。公演の魅力はテーマ性は勿論、軽快に物語を展開し飽きさせないところ。上演時間60分と短いがとても充実した内容で楽しめる。
    (上演時間1時間) 【ミザールチーム】

    ネタバレBOX

    舞台美術は、舞台(板)を囲むように2~3段の段差を設け、その立ち位置によって場所や時間の違いを表し、わずかな段差を上り下りすることで躍動感を出す。上手に衝立があり その上部に開いた傘、下手にも同じように複数の傘が…。カラフル(colorful)な照明によって ちょっと幻想的な雰囲気を漂わせる。

    物語は、TV報道番組で Family Rental Service(略称FRS)がアンドロイドの貸し出しを始める、それを中継を通じて報じるところから始まる。ニュースキャスターの柿本光介は、試しにアンドロイドの「おばあちゃん」を柿本家に迎え入れた。 父 光介が勝手に話を進めてしまったこともあり、 三人姉兄妹の反応はまちまちだ。長女(中学3年)のスギエや長男カシオ(中学2年)は おばあちゃんの優しさに癒され、少しずつ彼女との距離を縮める。 しかし末っ子のクリコ(小学6年)だけは おばあちゃんを拒み続けた。その頑なさが拗れ周囲は勿論、東京中を巻き込む騒動へ……。

    テーマは「人とアンドロイドの関わり」といったことだろうか。 母を失った子供たち…スギエ、カシオ、クリコの三姉兄妹。 アンドロイドおばあちゃんは、あくまで 彼らの「おばあちゃん」として優しく接していく。 しかしクリコにとって母は1人だけ、おばあちゃんでは「代わり」は務まらない。 おばあちゃんは それを承知でクリコと向き合い続ける。 アンドロイドの命は尽きないが、エネルギー充電は必要。クリコは、おばあちゃんをFRSへ帰すよう働きかけ、そこにもう1体のアンドロイド「ヒジカタ」が登場して緊迫感を増していく。

    FRSにいるのは全てアンドロイド。ヒジカタは介護用アンドロイドとして病院に派遣されていたが、人の死によって責任を問われた。おばあちゃんとは異なり、ヒジカタは 生死に関わる人間とアンドロイドの違いを重く受け止めた。 アンドロイドの派遣役割などで状況が異なるのは生きている人間も同じ。人はアンドロイドと違って もっとハッキリした感情で揺れ動く。重苦しくなりそうな内容だが、終始明るいおばあちゃんのおかげで救われる。ただラストは、おばあちゃんとクリコの邂逅だが、そこには近々ヒジカタと同じような立場で介護問題が横たわるような…。

    総じて役者陣は若く、アンドロイドおばあちゃんも若々しい。その衣裳や持ち物は、映画「メリー・ポピンズ」を連想させる。ドレス・帽子・日傘・鞄など映画から飛び出してきたよう。また照明が美しい。タイトルにあるように「宇宙」そして「星座」を思わせるような青白い輝きを照射する。その余韻付けが実に好い。
    次回公演も楽しみにしております。

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