『RAA-進駐軍特殊慰安所-』 公演情報 『RAA-進駐軍特殊慰安所-』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/08/04 (日)

    女性のことを何だと思ってんだ!!な。終わってもすっきりしないのはいまだに変わっていないからなのかも。演劇で知る史実。ためになります。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/08/05 (月) 14:00

    座席1階

    終戦直後、日本政府が進駐軍のために設けた特殊慰安所(RAA)の背景や実態を語る朗読劇。上陸してきた兵士による暴行、強姦を防ぐために設けたとされる。「大和なでしこの貞淑を守るため」という、いかにも政府がか弱き婦女子を守ってやると言わんばかりのお題目がいかに空虚なものであったかが、さまざまな人たちの証言で浮き彫りとなる。

    力の入った朗読劇だった。舞台中央に置かれた玉座は昭和天皇が座るものと思われるが、冒頭の玉音放送以外に昭和天皇の姿は出てこない。玉音放送の文言を字幕に映し出し、国民を苛烈な惨禍に巻き込んだ指導層の無責任ぶりをまず、指摘している。
    その後は、RAAが設立された経緯、どのようにして女性を集めたか、女性たちがどんな目に遭ったかなどが詳細に語られる。政府の指示で公娼を運営した民間業者、設立を支持した政府要人や、請け負った警視庁の幹部、女性たち、パンパンに部屋を貸していた家の小学生の証言まで登場する。多くが語られることがない黒歴史。特に女性たちの証言には身震いするような迫力がある。これを聴くだけでもこの舞台を見る価値がある。

    鬼畜米英が上陸して街にいる女性を暴行する可能性がある。だから、その欲望を「公の場所=公娼」で処理すべきというのが政府の説明であった。だが、その理屈の裏には、戦時中に中国大陸で皇軍が地元の婦女子に乱暴したということを政府自身が知っているという事情がある。どこの国だろうが兵隊は女に飢えている。だから国民を守るためには公娼が必要なのだと。中国で婦女子が辱められたのは公娼を設けなかった中国政府がいけないと言わんばかりの理屈に、ため息が出る。

    舞台は1時間半あまり、コンパクトにまとめてある。ただ、自分としてはこの脚本をストレートプレイでやってほしい。演じる女性俳優は精神を擦り減らすような舞台になるかもしれないが、かつて日本が手を染めた戦争とはこういうものだったと、今だからこそ多くの人に思い出させてほしい。

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