ThreeQuarterカウントダウン公演「2…」 公演情報 ThreeQuarterカウントダウン公演「2…」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    劇団ThreeQuarterは 2024年12月末に解散する。本公演はラストステージに向けて、その一つ前の公演、そして演目は「飛龍伝2024~風信子と共に~」(つか こうへい作)。つか作品に劇団脚本家の清水みき枝女史が女性の視点を加えて改訂したとある。どのようにテキレジしたか、興味津々で観劇した。
    (上演時間2時間20分 休憩なし)【花チーム】

    ネタバレBOX

    舞台はバリケードらしき柵と赤旗が両端に置いてあるだけの素舞台。それを運び入れ闘争状況を演出する。赤は赤旗、故郷のリンゴを連想させる色として使用している。細かいことだが、学生側は、大学名が書かれたヘルメット、大学(法政、早稲田)校歌、角材を用意し、機動隊側は警棒、制服などシンプル。

    梗概…1960年安保反対学生運動を指揮した全共闘委員長・神林美智子と第四機動隊隊長・山崎一平の間に生まれた子「勝利(かつとし)」、彼の俯瞰するような回想を通して、2人の馴れ初めから別れまでを緊迫感溢れる物語として綴る。

    つか作品らしく、学生運動をしている学生の方が機動隊の給料より仕送額が多い。学歴にしても然りである。国家権力の象徴として登場する機動隊、革命を叫ぶ学生の暮らしが、その生活レベル(貧富)において逆転しているという皮肉。
    <革命>とは人と人が信じ合い赦し合うこと、と叫ぶ。その信念のためには体も…その哀しいまでの行為。立場が人をつくるというが、その典型的な展開に抗うことができず、運命(さだめ)に翻弄される切なさが伝わる。

    全共闘学生幹部と機動隊隊長が故郷では幼馴染、その後の歩みによって敵対関係になるというドラマチックな出会い。そして1人の女 神林美智子を巡って恋のさや当てが虚しい。出来れば 神林美智子役の大澤星夏さんが もう少し人格的変化(上京したばかりの初々しさと委員長へ選ばれた後の貫禄ー黒眼鏡の掛け外しだけではなく)を観せてくれたら、もっと感情移入が出来た。他の女学生闘士のほうが迫力があった。強がれば それだけ反面の愛らしさが浮き彫りになる と思う。

    演技は闘争・総括場面を始め 殴る蹴るのアクション、台詞は怒声や罵声など大声を張り上げる。全共闘の作戦(機動隊の配置図の入手)とはいえ機動隊隊長と恋人そして結婚までし子供を産む。神林美智子の激白「好きでもない男の子など生まない」、他方、同志の女性が好きな人 作戦参謀・桂木順一郎の子を自ら堕胎する。闘争中とは言え、好きな人と結ばれたいと願う、しかし活動の前には男も女もないと非情な言葉が飛ぶ。当時の状況やその場の雰囲気がそれを許さなかった。女性視点を強調したとすれば、この場面あたりか。全体としては、何か目的いや使命を持った学生の情熱をしっかり体現していた。
    音響音楽は絶えず鼓舞するような勇ましいもの、または長渕剛の情感ある歌を流す。照明は原色を点滅または目つぶしで高揚効果を出す。

    神林美智子の亡き母が娘に残した言葉「やってられねえよ」…1960年の安保闘争から60年以上経った今、そういうことを言わなくても済む世の中になっているのだろうか。
    次回公演を楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    素晴らしかったです。全共闘と機動隊の複雑な関係がいい感じで描かれていました。もし劇団復活することあったら今度は高野悦子の『二十歳の原点』を演じてもらいたいです。なにはともあれ、すごくいい時間をすごさせていただきました。あ、音効さん、演者と息があっていて音効さんGJ!です^^

  • 実演鑑賞

    観たいです。

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