第16回王子落語会 公演情報 第16回王子落語会」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    バラエティ豊か。
    落語の種類も芸風も異なる方々の、おはなし。堪能しました。

    ネタバレBOX

    トップバッターは立川こはるさん。彼女の落語はスピーディーでサクサク噺がすすんでいくのだけど、だからこそ一度つっかえてしまうとなかなかペースを取り戻せないのが弱点かな、と今年の8月にみたときに感じていた。それがたった数ヶ月の間に劇的な変化をみせていた。スピード感はそのままに、間を置くタイミングと客席を観ながらお話できていたので、臨場感が出ていた。

    神田京子さん。講釈台の説明から史実に基づいたお噺をするということに至るまで、講談師のあれこれをおはなしくださった後に本編に入るので、私のようなビギナーにもわかりやすい。しかも、この日の本編は『忠臣蔵』。パンパン!と張扇で講釈台を叩いてリズムをとりながら、声高にお話をすすめていく。途中、客席で携帯電話が鳴るトラブルがあったのだけど、それを上手い具合に噺の内容に取り込み場内を笑いで席巻!!すごく面白かった。コメディやナンセンスギャグがすきな人がみたらハマりそう。

    仲入りの後、桂米紫師匠。いかにも関西!な落語家さんで、マクラはお馴染みの(?)東京/大阪間のギャップのあれこれ。そこそこ会場があたたまったところで『宗論』。ただの痴話げんかでもその内容が宗教というタブーを恐れずに口論しまくるというのが噺としておもしろいし、米紫師匠の語り口がとにかくヤバい。ボケて、ツッコミいれて、はったりかまして、すっとぼけて、逆切れして、、、と会場にいる全員を笑かすまで絶対舞台おりんで!みたいな威勢のよい熱弁ぷりがほんとにヤバい。しかも熱弁すぎて座布団ズレまくり。最後は正座の意味を失うのではないかとおもうほど。かなり衝撃。そして、ラディカル。

    トリは、瀧川鯉昇師匠。さきほどの荒ぶる米紫師匠とはうって変わり(笑)鯉昇師匠の落語はとても穏やかで、やわらかで、あたたかで、まるで春の木漏れ日のよう。そのふんわりした存在感と、すんだ声に耳をすますだけでおもわず笑みがこぼれる癒し系の落語家さん。そんな鯉昇師匠の本編はまさかの『三枚起請』。それをあんなにも柔らかなトーンでお話されては抱腹絶倒必須なのですが、なんだかそうすることが罪深くおもえて、必死に笑いをこらえたのでした。

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