神話、夜の果ての 公演情報 神話、夜の果ての」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-7件 / 7件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    人身ともに疲労中につき、入ってこず…
    題材に凄く惹かれていたのに。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/07/12 (金) 19:00

    宗教二世の話と知って、どんなことなのか?と興味をもった。
    また映画『ある船頭の話』でヒロインの少女役を演じた川島鈴遥さんが観たくて観劇。
    舞台美術から引き込まれ、ベッドの上の青年の言葉に吸い寄せられたり投げ飛ばされたり…
    少女と母と見事に演じていた川島鈴遥さんの紅一点が効いていましたね。
    シンプルだからこそ複雑さが際立つ、ピント張り詰めた糸が見えた舞台でした。

    ネタバレBOX

    私の観た回は、唯一の主役が代役の方だったらしい。半券があれば他の日に観ることもできるとのことでしたが都合が合わず断念。
    アンダーとして支えていて、臆することもなく素晴らしい舞台を見せてくれた久保田響介さんの今後を楽しみにしたいと思います。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/07/11 (木) 14:00

    親は入信し精神的に満足しているが、残された子供は不幸。宗教団体の施設の中で、親から断絶された孤独感、虐待。宗教2世の問題に焦点をあて真正面から描く。いい作品でした。

    ネタバレBOX

    アフタートーク(作者詩森ろば氏・佐藤信氏)で、後景のジャングルジムについて質問があり、宗教団体の施設をイメージしているとの回答があったがやはりジャングルジムにしか見えない。また、当初「古事記」をイメージして構想を練っていたが進まず、途中で「宗教2世」の問題にのめり込んだ経緯を話され、タイトル「神話…」の違和感が理解できた。アフタートークに佐藤信氏が登場したのにはビックリした。60~70年代に黒テントを主宰し活躍された方(現在80代)で今も現役で活躍されていることに驚いた。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    開演前、舞台上空のピンスポットライトが球状歯車のように幾何学的に回転している。ピカッと一点だけを照らすリズムが催眠効果を生む。

    とある兇悪な事件を犯した被疑者(坂本慶介氏)が拘置所に鑑定留置されている。国選弁護人(田中亨氏)は心神喪失の為、責任能力なしのラインで弁護しようと面会を希望する。担当している精神科医(廣川三憲氏)はそれに難色を示す。被疑者はずっと夢の中を彷徨っていた。
    僕は三日に一度、母を殺す。
    僕は三日に一度、母を犯す。
    僕は三日に一度、母から産み落とされる。
    10歳の時、母親に連れられて遠い田舎の山奥にある教団施設まで延々と歩いたあの日の記憶。

    オウム真理教や統一教会、カルト教団の絡んだ様々な事件を連想させる。村上龍が一気に書き殴ったような筆遣い。流れる旋律は『コインロッカー・ベイビーズ』っぽい。

    紅一点、川島鈴遥(りりか)さんはベッキー的明るさと壇蜜系の憂いのある整った顔立ちで場を彩る。

    ネタバレBOX

    服装や施設、システムはオウム真理教、教義は統一教会を匂わせているが実質はカンボジアのポル・ポト政権、クメール・ルージュの遣り口。

    ポル・ポト(Political Potentiality〈政治的可能性〉の略らしい)率いるクメール・ルージュが1975年4月にプノンペンを陥落、政権を握ってから原始共産主義を掲げた壮大な社会実験が始まる。国ごと原始社会に戻すべく既存の殆どの文明を破壊した。学校病院工場寺院市場、貨幣制度を廃止。私有財産を全て没収。都市部に住む者達全てを農村に強制的に移住させ、休日も与えず労働奉仕を強要。知識や教養は害悪という思想で少しでも学識のある者は徹底的に粛清。信仰者ジャーナリスト知識人文化人学者医師教師学生芸術家外国人···、その全てが殺戮された。図書館は破壊、書物は全て燃やされ、過去の歴史と記憶である伝統そのものをリセットする為に写真やフィルム、レコードやテープなど記録媒体全ては灰に。家族の概念を解体する為に全ての子供達を親から隔離して集団共同生活に。オンカー(組織)への忠誠だけを生きる価値と植え込む徹底した洗脳。勿論恋愛や結婚も禁止された。

    1979年1月、反ポル・ポト派を後押しする形でベトナム軍がプノンペンに侵攻。カンプチア人民共和国成立を宣言。敗退したクメール・ルージュはタイ国境付近のジャングルに長く潜むこととなる。約4年のクメール・ルージュ時代の大量虐殺犠牲者数は100〜200万人以上。カンボジアの全人口の四分の一。

    このSF小説のような壮大な実験で判ったことは、ここまでしても理想の国家なんて成立し得ないという事実。気に入らない奴等全て虐殺して無垢な子供達を一から洗脳して育てたところで到底楽園には成り得ない。人間と云う動物には理想的思想が本質的にそぐわない。そもそも動物(生命)と理性とは矛盾している概念。頭では理解していても肉体が本能が拒む。“人間”について皆が根本的に勘違いしている。ここは知能の低い猿共が“理想”や“正義”を御旗に石を投げ合っている猿山だ。いつしか本来の目的を忘れ、自己正当化の為だけに石を投げ続ける。

    前半は流石に前のめりで観たが、刑務官(杉木隆幸氏)が妻に逃げられたエピソード位から失速。山上徹也をだぶらせたありきたりの話で終わってしまった。施設を脱走して特殊清掃人として働き、教団発行物の表紙に教祖と母の姿を見て嘔吐する。一年後、教団の集会に侵入し二人を刺殺して逮捕。何かその辺の事件の上っ面をなぞって撫で回しただけに感じた。

    宗教について通り一遍の知識で撫で回すからこうなってしまう。こんな下らない教団に何処の誰が騙されるのか?所詮自分達よりも頭の悪い連中が引っ掛かるインチキと見下しているから本質を掴めていない。宗教の実体とは催眠と暗示。それを否定すると人間社会の殆どを否定することとなる。自分よりも知性も教養も高いまともな連中がやっているものだという出発点から切り込んでいかないといつまで経ってもワイドショー止まり。ナチスにしたってそう。低能が騙されると皆信じているが本当はそうではない。統一教会も右翼も左翼もやってる事は皆同じ。自己達成感ゲーム。蓮舫がどうだの靖国がどうだの、全部同じ。興味のない奴等からすると等しく皆カルト。演劇も同様。その虚しさをこそ表現するべき。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/07/10 (水) 14:00

    座席1階

    宗教2世をテーマにした物語。キリスト教ふうの「メサイア」がつかさどり、入信した家族は子どもと大人に住居を分けられる。主人公は、幼い頃からこの子ども住居で暮らす少年ミムラ。母親との接触は「愛着は罪。最終的に欲望を生み、世界の平和を壊す」との教えで会うことはかなわない。

    俳優は5人だけ。独白が中心となる主人公ミムラのせりふ量がすごい。しかし、よどみなく流れていく物語は、この俳優・坂本慶介の底力を示している。中央に置かれた病院のようなベッドを中心としたシンプルな演出も効果的。主人公が嫌う賛美歌のような音楽も人の心を切り裂くような役割で客席に迫る。

    緻密に組み立てられた会話劇で、宗教2世の実態にスポットを当てていく舞台は見事だ。だが、あえて注文したい。宗教2世がテーマなので外れているかもしれないが、人はなぜこのようなカルト宗教に陥っていくのか、この舞台には姿を現さないミムラの母親の物語が少しあってもよかったのではないか。
    1時間20分。メリハリの利いた切れのいい舞台で、満足度は高い。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/07/09 (火) 19:00

    ベテランユニットによる秀作。観るべし!(3分押し)83分。
     いわゆる「宗教2世」を題材に、殺人を犯したらしい青年と、彼を取り巻く宗教関係者や弁護士・精神科医が語る物語…、というような展開。シリアスな題材でもエンターテインメント要素を入れることが多いユニットだが、本作ではそういった要素はほとんどなく、重く厳しい展開が続く。主人公ミムラ(坂本慶介)・年少の少女シズル(川島鈴遥)・弁護士(田中亨)の若手3人に、同ユニットお馴染みの杉木隆幸、ベテランの廣川三憲が脇を締めて、タイトな舞台が展開されていた。手前に向けて傾斜した八百屋舞台に鉄製のベッドだけというシンプルな舞台で、特に印象に残ったのがライティングの美しさ。開演前に作・演出の詩森さんに「鈴遥さん、オススメですよ」といわれたのだが、事実上初舞台という川島も、他の役者陣も役割をしっかり演じて、見事だった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    この作家は作品によって作風がかなり変わることがあるように思うが、今作は独特の雰囲気がなかなか良い。カルトが描かれた作品にふさわしい。舞台上はベッド一つだけで場面が展開されるところや、主人公と弁護士役が対照となるのが興味深い。若い俳優たちも相当の実力を有している。しかし、タイトルの「神話」とはどういうことだろ?

このページのQRコードです。

拡大