実演鑑賞
満足度★★★★
お話もですが、老婆役の方々の迫力が凄かったです。
私が生まれる前の時代の戯曲で、学生運動については話でしか聞かないのですが、
国家権力に抵抗してバリケードを張って火炎瓶を投げて機動隊が突入して、というイメージで、
そんな時代に生まれたらしい舞台を時間を超えて体験できるのは演劇ならではだなと思いました。
テロやリンチを思わせる部分も、同時代の人は元はあれだな、とか思いつくわけですよね。
解釈についてはなかなか難しかったですが。
個人的には、大正生まれで戦時に夫や娘を亡くした厳しい祖母が、
私が幼い時分、戦争のことを指して「国のやることは信用できない」と常々言っていたり、
叔父の時代にあたる学生運動についても、内容はよく覚えていないのだけど、色々言っていたなあ、
今生きていたらどう思うのだろうなあ、などと思い出しながら観ました。
実演鑑賞
満足度★★★★
70年代のアングラ芝居が現代的にリニューアルされた感があって、興味深く観ることができました。ただ作者が何を主張したかったのかは分からない。安保闘争には好意的だったのかな。
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い。何となく<滅びの美学>といった印象を受けたが…。この公演の面白さは捉えどころのない漠然とした世界観、その中にある逞しさ情熱といった輝きか。勿論 批判の矛先は国家 社会であろうが、同時に自らも省みなければならない。
1971年の銃口が2024年に炸裂する…その謳い文句の意味するところが 公演の肝。公演の面白いところは、学生運動を機にした物語であるが、その主役になるのは老婆たちである。何度も繰り返される「あたしたちゃ、恥で黒く染まった鴉」という台詞が、学生という若者から老い先短い老婆が日本の将来を見据えるといった皮肉であり気概を感じさせる。
(上演時間1時間35分 休憩なし)
実演鑑賞
満足度★★★★
面白いと思って見ることはできましたが、清水氏が何を言いたかったのかは分かりませんでした。「あたしたちゃ、恥で黒く染まった鴉なんだよ」と繰り返す老婆たちはどんな恥で黒く染まってしまったのでしょう?戦争に反対しなかったこと?とか思ってしまいましたが。
実演鑑賞
満足度★★★★★
最高でした。ほんとすばらしかったです。不条理とエロと前衛がバランスよく溶け合っていました。個人的にはサックスプレーにしびれました。あの被告役の方、もしかしてプロのサックスプレーヤーさんでしょうか… 凄腕に度肝抜かれました。大人数の舞台で迫力があるばかりでなく音効の演出も何もかもよかったです。個人的には完璧な舞台でした。素敵な時間をありがとうございました。
実演鑑賞
満足度★★★
チャリティーショーが行われている。歌手(yokoさん)が「鴉よ!」と聴衆に呼び掛けると皆が「鴉よ!」と呼応する。今現在の自分達を「恥で身を黒く染めた惨めな鴉」だと自認しているようだ。そこに乱入して来る二人の青年(加藤亮佑氏と徳田雄一郎氏)、手製の爆弾を投げ付ける。
逮捕され裁判に掛けられる二人。加藤亮佑氏の祖母の鴉婆(宇沙木はこさん)、徳田雄一郎氏の祖母の虎婆(青木恵さん)
率いる武装した婆集団が裁判所を占拠。婆による裁判官、検事、弁護士等を裁く民衆法廷が開廷する。
当時の批評では「三里塚闘争」を重ねて観たようだ。若き活動家共の不甲斐のなさに千年以上もの恨みを抱えた老婆姿の怨霊達が大地から這い出て猛り狂う。
プロのサックス奏者でもある徳田雄一郎氏がサックスを吹き鳴らす。
加藤亮佑氏はつまみ枝豆と勝村政信を足したよう。
宇沙木はこさんは岸田今日子みたいな貫禄。
一升瓶片手の青木恵さんはドスが効く。