雑種愛 公演情報 雑種愛」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-13件 / 13件中
  • 満足度★★★★

    絡まる愛
    初めての角角ストロガのフ。多空間を一度に見せるセットと演出に面白さを感じた。話のテイストは好みではないけど、満足できた。

    役者は、曽雌康晴が良かった。椿かおりのキツめなナースは表情が非常に魅力的。

    ネタバレBOX

    16歳の主人公(ジジ・ぶう)は早熟性早老症。見た目は60歳。その苦悩を中心に、歪に狂った関係者らをからめて、異様な舞台へ観客を引きずりこむ。

    演技も良かったけど、やはり見せ方が上手かったと思う。
  • 満足度★★★★

    いろんな愛が
    毒を含みつつ描かれていました。
    ただ、人間関係が複雑に絡んでいたのが効果的には感じられず、
    もう少しシンプルにしたほうがよかったのでは?と、思いました。

  • 満足度★★★★★

    ただ事ではない!!
    本音と建前を使い分けず、欲望に忠実であり動物的で本能的でもある常識から一歩ズレた人間模様と主人公のピュアネスの対比が万華鏡のようにくるくると鮮やかに彩られ、夢から突き放されても尚、夢のなかを永遠に漂っていてるようなあの感覚をあんな風に描けるのはすごい。

    ネタバレBOX

    早熟性早老症を煩うひとりの少年と彼をとりまく世界のはなしが少年の自室、リビングルーム、病院の診察室、バイト先の漫画喫茶のカウンター/フロアー、路上というあらかじめ、舞台装置によってセッティングされた6つの場所で展開される。
    それはなんだか青年の脳内を具象化した迷路のような雰囲気で、これらの場面が同時多発的に描かれることにより、物語がより重層的で複雑な構成をなす。
    このような方法自体には斬新さや新鮮味はないかもしれないが、その空間設計や、横断する群像の描き方は一目で角田さんのものだとわかる独創的な世界観だ。
    それは愛されたいのに、愛せない、愛したいのに、愛さない。なんてアンバレンツだったり、どうして自分ばかり?という身のつまるおもいがするような過剰な被害妄想からはじまる。
    そういったフラストレーションの『種』の蓄積が意識下に宿るエゴイズムに触発されると、正しいとされてきた『常識』から意識が一歩ズレる。
    そのズレによる溝は歪みを生み、それは深くなるごとに本音と建前を使い分けるという『理性』を失い、欲望に忠実であり動物的で本能的でもあるという『新しい価値観』が『開花』する。
    しかし本人たちはそれに気がつかない。
    『エゴ』はあらゆる喜怒哀楽をしのいで増殖していく。
    そしてエゴに染まった人間は善悪の判断がまったくつかない。
    だから、出会ってはならないひとと出会ってしまったときに運命を感じてしまったり、やってはいけないことをすることに美徳を感じる。それらに良心の呵責は伴わない。
    だから、行き着く先は破壊であり、破滅的でもある。
    それを、ギリギリのところで食い止めるのが主人公の少年のピュアネスだ。
    しかし、ピュアであるが故に彼はある罪を犯してしまう。
    『愛されたい気持ち』とは『エゴ』にしかすぎないのだろうか。
    そしてそれは、愚かであるものか。

    この作品はそんな風にしか生きられない人間たちの暴力的な不器用さが右往左往するさまを、まるで蟻の『生態』を観察するかのような視点を観客側に持たせて快楽を与えていた。
    終盤、突拍子もない事故で少年の父親死んだり、彼の恋した女の子が実は年をとらない病気だったという驚きのカミングアウトは「もっと酷いことが起こればいい。」「ここで人が死んじゃえばいい。」という観客側の『エゴ』に応えるためのサービスだったのだろう。
    そんな『ありえないこと』がつづいていく妄想チックなドラマに家族、恋人、障害というシリアスな問題を乗り越え、生まれ変わろうとする少年の心象風景が『草原の芋虫が羽化する瞬間にみた夢』としてメタ化され、その夢が現実に突き放されて、誰かに踏みつぶされたとしても尚、夢のなかを永遠に漂っていたい願望やその心地よい感覚を、記憶のフィルムをひきのばしてなんども再生しているかのようにも受け取れる。そんな風にして、観る者の想像力を羽ばたかせる角田さんのセンスはやはり、すごい。そして、それは、唯一無二のものだ。
  • 20111128
    201111281330@王子小劇場

  • 満足度★★★

    最後のピース
    「欲望貴族」から2年振りの観劇。
    望むものが一体何なのか、解らないうちに歪んで常軌を逸していく様が恐い。
    同時進行のシーンでも眼は左上にいってしまう(笑)

  • 満足度★★★

    拝見しました
    ご招待にあずかり、光栄でした
    ありがとうございました

  • 満足度★★★★

    何故か切ない
    色んな意味で凝っていて、魅せられる芝居でした。しかし異形のものが排除されるのは、やはり切ないですね。考えさせられます。

  • 満足度★★★★

    オモロかった。
    好きな世界観。

  • 満足度★★★★★

    太一君は僕だ
    ドラマは登場人物の変化であり、人間関係の変化だ。
    角角ストロガのフの話は、その変化して行く様、狂ってゆく様をまざまざとえぐり出すように描き出してゆく。
    かなわないな。
    僕が惹かれるのはそこだ。
    太一君も聖奈ちゃんも僕自身を描き出されているようだ。

    ネタバレBOX

    やっぱり死人も出たし、やなことがいっぱい起きた。
    でも僕は今回の話はハッピーエンドだったんじゃないかと思っている。
    いままで観た角角ストロガのフで初のハッピーエンドだ。
  • 満足度★★★★

    異質な人たちが
    転がり落ちていく様、面白かったです。

    ネタバレBOX

    早熟早老症の少年とその家族、医者であり年を取らない病気の少女の父親、少年の小学校時代の元先生たちが破滅への道へ転がり落ちていく様が良かったです。

    特に少年の母親役の島崎裕気さんの壊れ方がいいですね。家庭崩壊劇にはピッタリの役者さんです。

    ブスの先生に自分の境遇を慰められることにむかついたというのも強烈でした。

    6ヶ所に分けられた舞台の使い方も素敵でした。

    染色体にくっついているヒモが分裂の度に短くなるのが老化ですから、新薬が開発されたからといってヒモが再生されるまでには至らないのじゃないかとつい考えてしまういけない私もいましたが、少年があんな美少年になれるんだったら飲んでみたい、そして染色体のヒモを伸ばしてみたいとしみじみ思いました。

    ただ時々感じる中学生的性の発想、早熟なら16歳で初夢精は遅すぎるような気がします。

    女性刑務官が家政婦のミタさんのようで面白かったです。
  • 満足度★★★★

    これは面白い!魅せられた!!
    個人的には、とても良い時間を過ごせた!
    「笑い、切なさ、喜び、悲しみ、怒り、恐怖、絶望」等、様々な感情をぎゅっと凝縮した不思議な世界観を体験できた!!
    数々の芝居を観劇しているが、出会っていそうで、出会っていない世界観だと思った。
    舞台美術もよく考えられており、観劇しやすかった。
    高低差のある舞台なので、席は2段目か3段目が見やすいかも。
    あっと言う間の110分!

    ネタバレBOX

    早熟性早老症という病気のため、16歳なのに60歳の外見をしている少年の話。
    <良かった点>
    ・脚本・演出(角田ルミさん、名前覚えました!)
    少年の目を通して、自分の周辺の人間・社会がどう映るのかを描いている。
    まず登場人物の状況、事情が描かれている。
    最初は、病気でありながらも一見幸せな状況であった。
    それから人間関係が徐々に壊れていく過程・少年が犯罪を犯すまでの魅せ方に、私は惹かれた。
    それでいて、下ネタ満載!笑えるところも多かった。
    細かくみると矛盾点や?点もあるのだが、この世界観を堪能するという観点からは許容できる程度であった。
    ・舞台美術。観劇しやすかった。
    舞台を上下4段に分け、それぞれで場面展開。
    同時に複数箇所で芝居が進行するときも有り。
    1番上:少年の通う病院、少年の家の茶の間。
    2段目:少年の部屋。
    3段目:道路。
    4段目:少年のバイト先(漫画喫茶)。

    <ちょっと残念だった点>
    映像を使った演出(テレビで事件のニュースを報道)があった。。
    映像を使う手法は良いと思うが、映像と演技が今ひとつに感じた。
    ちょっと安っぽく見えてしまった。

    <役者陣>
    各々の役柄を、皆さん好演していた。
    特に印象が強かったのは4人。

    ジジ・ぶうさん:少年役。お年なのに、少年の気持ちがとても伝わってきた。
             すっと、感情移入できた。
    島崎裕気さん:少年の母親役。
             このお芝居の雰囲気を作っていたように思えた。
             幸せでコミカル~壊れていく~不幸な雰囲気を彼女の芝居
             から感じた。
    鈴木聖奈さん:家出少女。
             クラッシック音楽が流れる中で、壊れていく演技が
             特に印象的であった。この場面は観入った!      
    椿かおりさん:看護婦役。あえぎ声がリアル過ぎて笑ってしまった。
             会場爆笑!
  • ジジ・ぶぅさんが、いい!
    ジジ・ぶぅさんのような16歳の高校生が学校にいたらきっと楽しそう。
    人気者間違いなし、と思うけど、周りとの違いを受け止めきれないのが高校時代なのかも、とも感じさせられました。
    高さ奥行きがある装置の上で並行して進む物語。
    この美術・装置が緻密に作られてますよね。小道具や衣装にもこだわりがあるし。ほんの一瞬見せて暗転するシーンとか、音響照明の細かいところもあちこち作り込んでるなぁとおもいました。

    内容的に重くもなるものを個性的な音楽とともに軽妙に料理するのが角田流かと。

  • 満足度★★★★

    凄い世界観
    ほぼ毎回観てるんですけど、作家さんの世界観には毎回驚かされます。
    本当に凄いと思いますね。同時進行していく話の中で最初にいつも思うのは今後どうなっていくのかということです。今回のも凄かった。
    どう形容していいのか分からない位、作家さんの個性が前面に出た作品でした。

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