言えてる
いわゆるシニア演劇が話題の昨今、「あるある」というシーンや台詞が多く、しばしば苦笑しながら楽しませていただきました。シニアたちを苦々しく思いながらもじぶんたちも何かをみつけていくことが予想される劇団側の描き方もよかったです。プロ、アマの区別なく、演劇はだれにとっても楽しめるものだと思います。
それにしてもプロの役者さんはすごいですね。
満足度★★★★★
魔法にかかった理由
『アラカン!』、12日と19日に見ました。
一度やってみたかったのが、「同じ芝居を、間をおかず二度見る」ということ。
映画や小説、マンガではよく経験しますが、あまり間をおかずリピートすると、一度目は筋を追うのがせいいっぱいだけど、二度目はゆったり見られるから登場人物のようすに目が行き届き、気づかなかったことにたくさん気づける。
お芝居はライブの緊張感があり、筋を追うのがとてもたいへんだから、二度見の効果も大きいと思う。
でもお芝居はお金がかかるからねぇ…。
これまでは、自分で二度見るかわりに、ほかの人の感想をきいたり、劇団や作家の方の話をきいたりすることで満足するようにしてました。
(ちょうど劇場で売られていた唐沢さんの『リプレイ』っていう劇評本も、まさにそのために読みました)
まあ、だからこそ、「これぞ!」と思った作品は二度見てみようと思ってたんです。『アラカン!』は一度見て、「これがその作品だ!」と思ったんですよねー。
シニア向け演劇教室の素人役者が『オセロー』をやりたいと言い出す話、ときいて、当然、そのシニアさんたちの視点で見ることになるんだろうなあ、と思ってました。だってあたくし、文化祭とはいえ、いちおう部活で舞台に立ってるざますからねぇ(ドヤ顔)。いわば元素人役者でしょ、あたくしも。
ところが(以下ネタバレ)
満足度★★★★★
客観的な視点で楽しめるコメディ
脚本が面白く、登場人物一人一人がよく描かれていて、とても楽しめる内容だった。
いわゆるバックステージもので、それが中高年の養成所を舞台にしているところが興味深い。
シェイクスピアの「オセロー」を先入観なしに素直に客観的にみつめる視点も生かされていて、秀逸なコメディ。
最初、休憩込み2時間30分と聞いて、観劇前は長すぎるのではと思ったが、まったく飽きさせない。
人情味も入れながら、湿っぽさがない幕切れにも好感が持てた。
唐沢伊万里さんの次回作にも期待したい。
満足度★★★★★
”アラウンド還暦”最高に楽しめました。
素人っぽいアラカン世代が「マクベス」を創り上げていく過程に無理がなく、なんだか還暦になった時の楽しみが増えたような気分に・・・
南風佳子の演じる女優とその他の出演者の演じるアマチュアの演技(役柄上の)の対比も見事で劇中でありながら、さすがプロの迫力は違うわ!と思ってしまいました。素晴しかったです。
満足度★★★★★
悲劇と喜劇
救いのない悲劇が喜劇になる、まさに表裏一体を魅せてもらった。素人役者を演じる役者の自然な演技も旨かったし、演出家と主役女優の会話も含蓄があっていい味を醸し出していた。演出助手の役者もスパイスが効いた存在感を放っていて、全体を通じていいアクセントになっていた。
満足度★★★★★
全力で拍手。
素晴らしい舞台を観せられるとその感動をなんとかして役者達に伝えたくなるもので、けれど声をあげるほど大胆でも、表情で伝えられるほど柔軟な顔の筋肉を持っているわけでも、そもそもそんなに顔が巨大でもないので、とにかく拍手で伝えようと常々思っている。
そんなわけで本作、すこぶる面白かったので、すこぶる全力で、すこぶる手のひらが痛くなるほどに拍手を送らせてもらった。
それにしても題材となったオセロー・・・存在はなんとなく知っていたがその内容はまったくもって知らず、本当は存在しないのでは?とUFOやUMAなんかと同等に捉えていたのだが、周囲の皆様は当然のように知っている様子をちょいちょい見せていたので、もしかしたら自分が寝ている間に、中学校辺りの授業で習っていたのかもしれない。
まぁそりゃどうでもいい話だ。
満足度★★★★★
王道の喜劇
奇をてらわぬ王道の喜劇。さすがです。
達者な役者さんが集まっているので当然といえば当然ですが、自然な演技で物語に引き込むところは凄いです。本当にアラカン世代の普通の人たちが集まっているかのように見えてしまいます。対する老舗劇団”明星”側の布陣も素晴らしく、いかにもの演出家、演出助手の反応が良いです。
看板女優と演出家の何気ない会話も、思わず「上手いなあ」と唸ってしまいます。プロの芝居です。
最後は笑いながら泣いてしまい、パンフにあった作家さんの文書そのままとなりました。
満足度★★★★
新作オセロー
すごく楽しめました!達者な演技とよく出来た構成であっと言う間の2時間20分。劇団の内幕も楽しく、生まれ変わったオセローもすばらしい出来でした。
素人役者を演じる役者さん達の巧いこと。劇中劇でうまく演じるより素人らしく演じるほうがずっと難しいんだろうな、とは思うのですが、あまりに自然な下手さにうなってしまいました。こんな劇団が本当にあるといいなぁ・・・・・。