満足度★★★
泡と荒野と
演劇は、はかない。一生懸命つくっても、後にはなにも残らない。
アニメやマンガ、小説、音楽、ドラマにCM、アイドルなどなど。物語ることを要求されるこれらのメディアの数々を、ひとまず大雑把に「フィクション」と呼ぶとして。ちかごろのそれは、寿命がものすごく短い。はかない。
ロロは、これらのフィクションを、ひたむきに、演劇の中に閉じ込めようとしているみたい。どうしてそんなことをするのだろう。なぜ容れ物が演劇なのだろう。ロロを見たのは今度がはじめて。僕は、その表現方法のバランスの悪さに辟易しながら、一点突破の偏った熱量におどろきあきれながら、同時に、無駄にも見える、彼らの、フィクションに対する冷めた視線と必死さに打ちのめされた。
満足度★★★
私にとってはアングラだった
すごかったなーいきなりこんなに洗練されちゃうものなんでしょうか。100分退屈せず、客観視する姿勢で観ました。F/Tで上演される演目として納得。もう私の知ってるロロじゃなかったな~。アーティストってのは成長してしまうものなのね(願わくば私のような凡人も成長したいのだが)。アングラをよく知る人にはナンセンスと思われるかもしれないけど、私には寺山修司作品みたいだった。まあ、つまり作風としては私の苦手な方向でした。でも次々と容赦なく変わっていきそうな劇団。
満足度★★★
ロロっぽい
最後のワンシーンにやられた。インパクトありました。
範宙遊泳の山本さんとのアフタートークでの三浦さんの話でなんとなく思ってたロロの印象が、なるほど、三浦さんがそうやって作っているからだ、と納得した。
いつもながら、なんとなくノスタルジックさを感じ、ゆーるりとした時間の流れ。
望月さんがいつもと違う印象でした。
満足度★★★★
フィクションとしての夏
春から続いている夏シリーズのラストを飾る作品で、ここ最近の作品での試行錯誤している感じを払拭する様な、瑞々しい爽快感がありました。
探偵事務所の2人、甲子園好きな姉弟、世界征服を狙う2人、離れ離れになってしまう男女、1人佇む浴衣の女のエピソードが断片的に重なりながら描かれ、よく分からないながらも圧倒的な高揚感で感動させられてしまうラストへなだれ込む構成で、いつものパターンなのではあるのですが今までと異なる手触りがありました。
いかにも夏を思わせるアイテムがたくさん出てくるのですが、リアルな夏というよりかはイメージとしての夏という雰囲気で物語が描かれていて、うっすらと立ち上るノスタルジックな感じが心地良かったです。今までの作品に比べて文学性とエロティシズムが強く打ち出されていて、新鮮でした。
様々なサブカルチャーからの引用やベタな台詞が狙って配置されているのにスノッブな嫌らしさを感じさせず、とてもナチュラルに表現する、この劇団の特色が良く出ていたと思います。脚立やブルーシート、バスタブ、台車などの工業製品を他の物に見立てる演出も面白かったです。
毎回思うことですが、女優陣が魅力的で、それぞれの個性が引き立っていました。びしょ濡れになりながら演じる北川麗さんの不思議な色気が特に印象に残りました。
満足度★★★★
きわめて文芸的なDNA
とにかく100分を飽きさせないのは並大抵のことではない。驚くべきは、基本はテンションの高いスラップスティックであるのに「調子に乗った」ところがまったくないことだ。
調子に乗りきってしまう直前で、よくいう「緻密に計算されている」というのとは少し違う方法で手綱が引き戻されている。だから100分もつのだ。
筒井康隆の「脱走と追跡のサンバ」(それと、もしかしたら1970年代の荒巻義雄)を読んでいるときと同等に近い浮遊感を、これほど強く芝居から感じたことはなかったかもしれない。
アフタートークで演出家が「書いているときは音楽のことはまったく頭にない」と言っていたが、その筈だと思う。
これはきわめて文芸的なDNAから発現し、それを阻害する要素を排除しながら作り上げた芝居だと思う。心地よかった。
満足度★★★★★
泥臭い
ボーイミーツガール。おしゃれでリア充でポップでロマンチックで。。そんなわけないだろ。ロロはしっかりとわかっている。泥臭い暴走なのだ。土と汗と潮の香りを感じました。ロロのすごさはここだと個人的に思います。絶対のおすすめです。ロロを観ることができるのは関東の人たちの特権。関西からはなかなか観に行けません。悔しいけど。だから観れる人は観てほしい。そして自慢して悔しがらせてください。
満足度★★★★
得意技連発
しっかりトロピカルに仕上がっていて楽しかった。
序盤からエンジン全開。
終盤はちょっと息切れかな。
それにしても今回は全員がヒロインレベルの最強女優陣だな。