ノーション:ダンス・フィクション 公演情報 ノーション:ダンス・フィクション」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    詐欺
    筋肉に電流を流し、その刺激で身体運動をコントロールする技術を用いて、映像や言葉を使うことなく直接的に振付を人に伝達するシステムのデモンストレーションで、偉大なダンサー/振付家の動きを電流のオン/オフのデータに変換してアーカイブ化するという、刺激的なプロジェクトで、とても興味深かったです。

    筋肉に電流を流す実験の歴史のレクチャーから始まり、システム開発の経緯、実験の過程が映像と共にユーモラスにプレゼンテーションされ、後半は女性ダンサーが装置を身に付けて、実演が行われました。
    コントロールの精度が非常に高く、サンプリング対象となった、ニジンスキー、土方、ピナ等のダンスの映像と、電極を装着したダンサーの動きがほとんど同じで驚きました。

    …というのは全部嘘で、実際は電流で動かされているのではなく、単純に動きを覚えてコピーして踊っているだけという、人を食った様な作品でした。
    電流による身体制御の作品を作っているステラークさんや真鍋大度さんの仕事を知っていたので、装置を見た瞬間にこの程度の装置では全身を制御するのは無理だと分かりましたが、タイトルに「フィクション」とはあるものの、作中ではフェイクであることが明かされないまま終わるので、騙されてしまった人がいたかもしれません。

    システムが偽物だったのにはがっかりしましたが、身体とテクノロジーの関係、振付の記譜法、本物と偽物、など様々なトピックについて考えさせられる、コンセプチュアルで愉快な作品でした。

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