満足度★★★
王道
クラシカルな演出による上演で、早めのテンポの演奏に乗せて踊る群舞が美しかったです。ラストにオデットが死なないハッピーエンド版でしたが、あっけらかんと展開して、ドラマとして盛り上がりに欠ける様に感じました。
オデット/オディールを演じたボルチェンコさんはとても細い腕で繊細に感情を表現していました。2役の演じ分けもハッキリ違いが出ていて、オデットの時のキメのポーズがました。ジークフリートを演じたシェミウノフさんはかなり身長が高い人でしたが体の重さを感じさせず、高貴な雰囲気がありました。優雅な動きは良かったのですが、あまりキレが良くないので、のんびりした感じの王子になっていました。
第2幕の白鳥の群舞が動き・形とも整っていて美しかったです。 第4幕の群舞は少し乱れが気になりなした。第3幕のポーランドの踊りがかなり速いテンポでエキサイティングでした。
美術は古風な書き割り的なもので、湖面の絵に波紋の様な照明が当てられ、奇麗でした。
国際フォーラムのホールAでのバレエ公演は今回初めて観ましたが、会場が広過ぎるため、ステージまでの距離がかなりあって細かい動きが見えにくく、オーケストラの音も拡散して迫力が失われてしまった様に感じました。
今回の来日公演は他の演目もクラシック系ばかりですが、せっかくナチョ・ドゥアトさんが芸術監督なのだから、コンテンポラリー系の作品も上演して欲しいです。