実演鑑賞
満足度★★★★
「初日の『籠釣瓶』」
十八代目勘三郎の追善興行の初日に勘九郎七之助初役の「籠釣瓶」を観た。
あばた顔の豪商佐野次郎左衛門(勘九郎)が吉原で見初めた傾城八ツ橋(七之助)を身請けしようとするも、八ツ橋が間夫の繁山栄之丞(仁左衛門)と養父の釣鐘権八(松緑)に強要され座敷で次郎左衛門を愛想尽かしをする。その後再訪した次郎左衛門は八ツ橋を手に掛けるという有名な「吉原百人斬り」をもとにした筋だが、近年性風俗産業で起きた殺人事件や借金苦の女性が売春に手を染めるといったニュースと相まり、遠い昔の出来事とは思えない現代性があった。くわえて、これまで私が観た吉右衛門福助、勘三郎玉三郎、菊五郎菊之助のコンビと比べ、今回は次郎左衛門と八ツ橋の年齢差に大きな開きがなく、ともに40代に差し掛かったばかりという若さが舞台に新鮮な風を吹かせた。
実演鑑賞
満足度★★★★
次世代を担う中村長三郎さん、中村勘太郎さんを拝見できて良かったです。
歌舞伎の世界には詳しくありませんが、次世代へ受け継がれる様子、観客も次世代を見守り育てる文化に触れられて貴重な体験でした。