riverbed sleepless summer 公演情報 riverbed sleepless summer」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★

    趣向は面白いが、少々冗長
    舞台(と言ってもフラットな空間だが)の左手には、
    浅い釣堀のように水が張ってあって、水がちょろちょろと流れている。
    一方、右側には、乱雑な室内があって、空き缶も転がっている中、
    小さなテーブルとソファ、それに冷蔵庫などが備えられている。

    さて、この芝居は、不仲で、長らく会っていない姉を訪ねてきた妹の物語。

    ネタバレBOX

    しかし、姉の住んでいた地で、姉の恋人は事故死を遂げ、
    自分だけ生き残ったことを悲しく思う姉は、
    友人の研究者に依頼して、自分も死を選ぶ。
    この研究者も、元々は名発明をいくつも生み出した、
    その筋では知られた人だったのだが、
    なぜかこの世のしがらみを疎ましく思い、この地に来ていたのだった。

    もちろん、話はこれほど単純ではなく、彼らの周囲の登場人物も含め、
    辛い体験や人生観などが語られ、場合によっては衝突していく。

    むしろ、正直申して、話は冗長で、彼らの話が、
    姉の生きていた頃と、妹が訪ねてきた頃とが交錯して進行していくのだが、
    話の整理がよくないのか、少々分かりにくい。

    例えば、なぜ死ぬのか? なぜ死ぬのを手助けするのか?
    理屈では説明されていても、心の中にフッと落ちてこない…。

    この辺を、もっと分かりやすく、また良い意味でコンパクトにできると、
    劇全体が締まってくると思うのだが。

    また、場面転換時には、映像が流れるのだが、
    (いつも言っていることながら)あまり画像が良くない。

    それから、この映像が流れるときに、
    ヴァイオリンとギターの生演奏が入る。
    生演奏自体は贅沢なのだが、役者が登場している時には彼らは演奏せず、
    なんかもったいない印象。

    曲自体は、ポピュラー系で、ヴァイオリンの技術はしっかりしているが、
    ただ、ヴァイオリン独特の、音色の変化の美しさや、
    メロディーを美しく歌い上げるような表現は聴かれなかった。

    ところで、ヴァイオリニスト(島村絢沙さん)は大変な美人で、
    また、演奏時は立って演奏するのだが、(この日は?)ショートパンツ姿で
    脚も長く、スタイルも抜群!

    それで、この方をちょっと調べてみたら、今は桐朋音大在学中の
    学生さんで、高校時代にはCMに出るなど(中村アヤサの名で)、
    女優のような活動もされていたとのこと……なるほど。
    クラシックとポピュラーの両面で活躍されているようです…。

    一方、ギタリスト(エンドウシンヤ)は男性で、
    こちらもシルクハットをかぶっていらっしゃり、
    しゃれたスタイルなのだが、スポットライトもヴァイオリニストにだけ
    よく当たっていて、しかも彼は座って下を向きながらの演奏なので、
    お顔も良く見えないし影が薄い…それから演奏面でも和音伴奏専科みたい。

    まあ、オジサン観客としては、美人奏者だけ拝めれば、
    それでも良いとも言えますが(笑)、それでも、
    ちょっとギタリストさんが気の毒にも思えたり…。

    結局、色々の趣向は良いのだが、ちょっと長すぎたかな? という印象。

    それから、他の方もすでに指摘されているが、
    空席がかなり多いにもかかわらず、
    「端から詰めてお座り下さい」という案内を私もされた。
    劇団関係者はここを読まれていないのかもしれないが、
    それなりに席が埋まってくる場合にはともかく、
    空席が目立つような場合には、
    違う対応をされてもよろしいのではないだろうか?
  • 満足度★★★★

    期待以上の面白さ
    音信不通の姉を探して、川沿いの廃屋を化した建物を訪れる妹。期待以上の面白さでした。トラウマを抱えた人達とのやり取りが実にいい。映像とともに挿入されるヴァイオリンとギターの生演奏も効果的(ヴァイオリンのお姉さん美人でした)。蝉の鳴き声や川の音も印象的でした。次回作が楽しみです。

  • 満足度★★

    それぞれが抱えるトラウマ
    川沿いの小屋を舞台に、姉妹と男3人のそれぞれが持つ心の傷をじっくりと描いた作品でした。可愛らしいユニット名から想像していたのとは異なる、シリアスなテイストでした。

    妹が長らく連絡を取っていない姉が住んでいるはずのアパートに来ても、そのアパートは既になく粗末な小屋があるのみで、その小屋の主である元科学者とその幼馴染みや元同僚、姉との関係が明らかになるつれて、それぞれの悩みも見えてくる物語でした。
    人は皆、人に言えないトラウマを持ちながら生きているというテーマがストレートに描かれていましたが、ありきたりな展開で2時間強の時間で描く内容としては物足りなさを感じました。

    役者達は落ち着いた演技で良かったです。妹役を演じた人(当日パンフレットに配役が記載されていなかったので名前が分かりませんでした)の多彩な表情が魅力的でした。

    下手には川を摸したプール、中央~上手は拾った空き缶が散乱する室内を表していた美術は雑然さの中にセンスの良さを感じさせました。
    バイオリンとエレキギターの生演奏があったのですが、間奏曲みたいな扱いになっていて、演技との相乗効果がないのがもったいなく感じました。曲もワンパターンな展開や安っぽい打ち込み音源、メロディーラインと合っていないコード進行など、あまり魅力が感じられず、長過ぎると思いました。バイオリンの演奏は安定感があり、美しい音色が素敵でした。
    演奏時に流れる映像は凝ったアングルや編集で作られていた洒落た雰囲気でしたが、物語との繋がりが不明な内容で意図が分かりませんでした。

    開場時間まで窓のない入り口を閉めきって、雨が降り出す中、屋根がないところで待つ客を放置していたり、明らかに席に余裕があるのに端の席から詰めて座るように促したり、配役が記されていないのにアンケートに「良かった役者は誰ですか?」という設問があったりと制作サイドの動きが残念でした。

  • 満足度★★★★★

    無題111
    この前にラビネストでみているので、駅をはさんで反対側に人力で移動です。今日のお天気は不安定でざっと降り始めたかと思ったら、すぐ晴れたり。会場の外で待っていてる間もそんなかんじ。外から見る限り、劇場とは思えません。清澄白河のSNACといい勝負です。20分前開場、席を詰めずに一番よさそうな場所に座ります(スタッフの方、ゴメンなさいね)。目に入ってくるのは、乱雑な舞台。下手...これは川。ブロックが置かれ、水が流れて奥の壁が揺らいで、ガレキが放置されています。中央にはテーブルとソファ、雑誌。上手床にはビニールシート、手作りの機械(?)。そこらじゅうに空き缶。上手奥、ギターとMarshallの小型アンプ(白)。ヴァイオリンケースも見えます。ちょうど18:00に始まって140分くらいあったでしょうか。私の感覚にぴったり。「観たい!」が7/16でした。ようやく「観てきた!」が書けますが、すみません、少し時間をください。

    姉しずか(西野さん)、妹あさこ(やないさん)、伊達(中尾さん)、南部(佐々木さん)、モリワカ(畠沢さん)でしたよね?

    ネタバレBOX

    冷蔵庫、炊飯器、ポット、レンジにテレビ。工具やら軍手やらノートPC、四方の壁は白く、天井と座席の間の鉄骨は黒、床にはひび割れの黒い筋。下手座席前にはプロジェクター。ざっとみまわすとこんなところ。

    …で、先に言うと、土反さんが指摘していらしゃるように、外で待つお客さん、開場前から来ているお客さんにもっと心配りすべき。幸い土砂降りじゃなかったし、時間も短かったからよかったけど、中から人がでてきてもそのまま。傘をさすかどうかは客側の判断でいいけど、普通の商売の世界ではあり得ない処遇だと思う。一言あってもいいし、開場時間をちょっとはやめるとかでも。よく終演の際「本日はお越しいただき誠にありがとうございました」って言うけど、スタッフの人たちもそう思っているのかなぁ?あと一つ、中の話し声は外にも聞こえるよ。あらかじめネットで場所を確認、地図をみながらやってきて、こっちは開演時間のずっと前から準備ができているんだしね。

    ちなみに他の劇団がおしなべて優等生というわけでもないけど…(たまたま、そうだったのかな?)。直近の例①予約したのになかった(続けて2回)、②私の前を役者がコンビニの袋を持って歩いている→会場の前で話し込む→開場時間15分遅れる(ホントは、準備の関係とか理由があるんだろうけど、なんだか…)。

    さて、お話についてはお二人が書いていらっしゃるので違うことを。

    演奏のお二人登場、ギターのチューニング、足もとにはエフェクター?トグルスイッチが前に倒れているということはフロントのピックアップですね。久しぶりに聴くE.ギターの音、Marshallならではの音か…は、聴き分けるほどの耳ではないので。こうやって楽器の音を聴くのはカラダにいい。うちにもFenderがあるけどずっと弾いていない。途中1回、最後のここ…というところでミストーン(だと思いますが)、もったいない。

    幕間、映像〜役者〜奏者と3つの視点、どこをみるかは自由なので、ゆっくり視線を移動させ波長に乗り続けます。昔、アルバム片面で1曲というのが何枚かありました。2枚組で4曲。ビートルズの「White Album」は30曲。どちらもよく聴きます。A面からB面へ行くには裏返さなくてはなりませんが、それも儀式のひとつ。オペラにも幕間があるし、映画でもインターミッションがあった(「2001年」「ソラリス」…)。仮に、ショートバージョンがあったとしてみたいと思うかな、どうだろう。

    妹が姉を探すのはわかっても、他の人たちの心情はよくわかりませんでした(わからなくてもいいですよね?)、世の中そういうもの。

    演劇はなかなかマイペースでみることができません。本は前のページを繰ってみたり、少し閉じて頭の中でいろんなものが撹拌したり沈澱したりするのを待つことができます。今夜は、波長も調(Key)もピッタリ。開演前の私の時間の流れはとまり、川床に横たわり、揺られているような時間の体験でした。

    なので、役柄とか、どんな関係なのかネタばれにならない程度の情報が事前にあるとありがたいです。「いたち」or「だて」=「伊達」というのは聞いてみてはじめてわかりました。観劇中、ちょっと悩みました。

    同じ作品を再びみることは、まず、ないでしょう。最近、そう思いながらみるようになってきました。

    帰りにCDを買いました。9/8追記:今日まで、毎日、数回聴いています。

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