満足度★★★★
重くて苦しい、でも再生の演劇
恋愛もの韓流ドラマの超ブラック・バージョンというか。隣人夫婦のみっともなさに何度も失笑。米村亮太郎さんが怖いぐらいセクシー。
満足度★★★★★
前回公演は当日券が売り切れてたので・・
久々の観劇でした。
三鷹の人間失格のあたりから感じていたんですが、どんどん(日本の)文学っぽくなってきている?(坂口安吾かって言われると微妙かもしれないけど・・)
ブンガクというと一見偉そうなんですが、
実は若いころ勇敢な兵士だったトルストイなんかは
「セワ゛ストーポリ」で
人が芥子粒みたく消えていく激戦の様子を、戦火を星雲か何かのように美しく、タフに描いていて(自分もライブの途中なんかによく読んでる)、
そこには血も悲劇も美しいコトバの装飾の中に彩られていて、
作者が悲惨な戦争を文学によって吐き出して、時代の中を突き抜けていく様子が
150年の時を経て生き生きと伝わってくるのです。
日本の近代文学というと私小説じみて
暗いものを暗いまま提示するのが偉いみたくなっているような気もして、
それが邦画全般の湿っぽさにもつながっている気がするんですが、
例えばこうした、悲惨なクリミヤ戦争を若々しくクールに描いた
(翻訳だろうが150年前の話だろうが、トルストイの筆は間違いなくクールです・・)
小説を見ると・・このようなスタイリッシュな文学を持ちえた辺境のロシアが羨ましく思えたりします。
日本文学も素晴らしいところはいっぱいあるのですが、
その最も眩い軌跡・・随筆などで感じるやわらかなユーモアとでもいうものは、
今現在は五反田団などで感じることができるような気がします(完全に同じものではないですが
別に批判してるのではないですが、もう少し筆がクールであればいいのにな、とは思ったりします。
野蛮とクールは両立すると思うので、トルストイのように。
満足度★★★★★
2011年に観れてよかった。
久しぶりの新作ということで楽しみにしていたが、期待以上のすばらしさだった。
先日WOWOWでも放送されたのだが、わざわざ入会して再度観てしまったほど。
最近のよくあるリアル演劇とは一線を画した、新しい演劇の魅力がこの作品にはあった。
今までのポツドール作品と比べるとリアリティーは少なく、物語の展開も音楽も台詞もベタなのだが、なぜか目の前で起こること全てが、生臭く重く苦しい。
作品のテーマは、悲しみと偽善と自己嫌悪で埋め尽くされた今の日本に生きる者なら、誰でもが共有できるだろう。
だから小賢しい展開やリアルさなんてなくても伝わる。
満足度★★★
台風の日に
台風で交通機関が全て停まっていた為、劇団に問い合わせてみるも、「来場のお客様もおいでなので公演の中止もしないし払い戻しもしない」との返答・・・まあ、劇団に非は無いし仕方ない。暴風雨の中原宿から下北まで3時間掛けてヘロヘロになってスズナリに辿り着き、開演から20分程経ってから観始める。結局後日e+からチケット払い戻すとのメールが届いたので、こんな事なら払い戻して、別日に最初からちゃんと観たかった。6月にwowowで観た三浦作品がとても面白かったので初めて観に行ったポツドール公演だったが、あまりに救いの無い展開で私にはちょっと重かった。後ろの席だったせいか役者さんの台詞がところどころ聞き取り難くジレンマ。合間合間に流れる篠原さんの独白だけ不釣合いな大音量だったのでマイクの不具合でもあったのかな。正直、目にする劇評がどれも高評価で意外というかびっくりというか。ただ2時間があっという間で、緊張感を保って最後まで舞台に釘付けだったので、面白い舞台だったことは間違いないか。「愛の渦」を観てみたい。
満足度★★★★
クオリティー高し。
計算して配置したチープな台詞、役者を巧みに誘導して舞台上での演技を刻々と変化させる緻密な演出。三浦大輔という演劇人の力量の高さに改めて感じ入りました。ストーリーや夫を刺殺する場面での演出にどことなく古典名作の影響が感じられました。具体的に何という作品かまでは思い浮かびませんでしたが・・・。
満足度★★★★
初ポツドール
口コミで評価が高かったので、一度みて観たかった劇団。前方ベンチシートだったが何とか長時間耐えて観た(笑)おしまいなのか、始まりか解らないかな。長時間だったが長く感じずに観れたから良かった。
満足度★★★★
終盤、マイクが途切れるアクシデントさえなければ・・
開演前、爆音で流れる岡村ちゃんの「セーーックス!!」の歌声だけでテンションあがる。前日寝不足で観劇中にウトウトしたらどうしよう?と思いつつ観るも、睡魔など入り込む余地のない緊張感。これだけ高まったハードルを軽々と越えて見せる三浦さんにただただ敬服。
ただ、僕が観た回はエンディング直前の電話のシーンでマイク(?)が切れてしまい、役者の台詞が全く聞こえなかったのが残念でならない。よりによってあのシーンでマイクが死ぬとは・・。脚本にも役者にも、全く文句はないけど、その1点が致命的だったので、4点にしました。あと、静かなシーンの際に下の階の飲み屋の演歌カラオケが聞えてきたのも、ちょっとね・・。誰のせいでもないけど、げんなりしました・・。(素直に本多でやっておけばこんなことにはならなかったのでは??)
満足度★★★★★
大傑作
スズナリにて、劇団・ポツドールのおしまいのときを観劇。ついに作・演出の三浦大輔が最高傑作を作ったのだ。今回でポツドールは5本目で、久しぶりの新作で期待値が高すぎてやや不安だったが、見事にそんな不安を払拭してしまった。今回はあまりの衝撃でネタばれはしないが、三浦大輔の得意の低温の人間像、全く感情が感じられない人物、まるで観客が他人の生活をのぞき見しているドキュメンタリーのような見せ方、クライマックスは暗くてあまり見えない舞台の見せ方、そして舞台セットが二面の同時進行とその辺りの表現方法は相変わらず絶好調。そして驚くような衝撃のラストシーンには唖然とした。だがそのラストシーンはポツドールを何度も観ている観客には衝撃度が高いが、初見の観客にはそれほどでもないのが残念だ。だが今作で三浦大輔は自分のテーマを全て捨てたのである。だから次回作は間違いなく大きく変わるだろう。だから今作を見逃すともう永遠に今まで築いてきたポツドールの世界は見れないだろう。