ハードコアダンスファクトリー第二回 公演情報 ハードコアダンスファクトリー第二回」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.0
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  • 満足度★★

    (アンチ)ダンスの工程
    大橋可也&ダンサーズと、そのメンバーである古舘奈津子×国枝昌人のパフォーマンスと、文芸評論家の安藤礼二さんと前衛音楽家の吉田アミさんを迎えてのトークで構成されたイベントで、一般的な「ダンス」とは少し距離を置いた視線を感じさせました。

    古舘奈津子×国枝昌人
    物語性やダンス的フォルム、照明、音楽などの要素を削ぎ落としたストイックな作品でした。始まる前からアクティングエリアの隅に立っていた古舘さんがゆっくりと時間をかけて体の各パーツの揺れを増幅させるのに対して、途中から出てくる国枝さんはミュージカルやショーダンスから引用したような「キメ」のあるポーズ・動きを断片的に継ぎ接ぎしたシークエンスを何度も繰り返し、2人の動きが交わることのないままに事前にセットしていたタイマーが鳴って唐突に終わり、ダンスに対しての批評的な眼差しを強く感じました。しっかりしたコンセプトは良いのですが、観る側としては単調過ぎて飽きがくるので、客の集中力を途切れさせない為の構成上の仕掛けが必要だと思いました。

    大橋可也&ダンサーズ
    2回パフォーマンスがあり、同じ振付をダンサーや音楽を変えることによって現れる差異を見せていました。
    1回目は日常的な格好をしたダンサー女5・男1で、音楽は船橋陽さんのサックスとチェロの演奏を大谷能生さんがエレクトロニクスで変形させる形でした。取っ組み合ったりや倒れ込むなど、いわゆるダンス的ではない暴力性とエロティシズムを感じさせる動きがほとんどで、そこに耳がつんざくようなノイジーな演奏が被さり、異様な雰囲気を生み出していました。
    2回目は、1回目とは別の女6・男3のダンサー、音楽は2人ともサックスを演奏する形で上演され、1回目に比べて柔かい雰囲気を感じました。ダンサーや音楽の違いで同じ振付が異なる見え方になっていて興味深かったです。
    数名が同時に同じ動きをする箇所でも敢えてぴったりとは揃えずダンサーそれぞれの個性を引き出そうとしているようでしたが、ダンサーたちの動きに説得力があまりないため、敢えて揃えてないのか、揃えようとしたけど上手く行かなかったのかが不明瞭に感じられました。

    トークは普段あまりダンスを観ない2人のゲストがそれぞれの立場から疑問や意見を述べていて、「文字化することによる単純化」や「モニタリング出来ない踊る身体」など興味深いトピックが出ていたのですが、話題が飛び飛びであまり掘り下げられなかったのが残念でした。

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