萎れた花の弁明 公演情報 萎れた花の弁明」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-4件 / 4件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    三鷹・星のホールで何度めかの城山羊の会。
    ここの名物は演劇担当森元氏が冒頭のあいさつから少し芝居に噛む事。今回は舞台上に、劇場の道路に面した外観が出現している。森元氏の挨拶の後、岩谷氏が現われ、質問を投げる。そのやり取りから芝居が始まる。
    今作はこの岩谷氏が何のためにそこにいるかの説明がないまま、ずっと居続けている。彼が主体性を発揮するのは全て「性欲」に対する知的関心とその発散への関心について。ただし彼は凡そ観察者であり、観察される対象として登場する「もっとも下半身のだらしない」男として岡部たかしが登場する。
    出演陣の中で今回の関心は劇団普通の黒川女史であったが、新人マッサージ師として岩谷氏の前に現われ、その黒髪と風貌は中国人風で思わずマッサージと結びつけて連想してしまったが、実は信仰厚い日本人シングルマザー役。素にしか見えない(城山羊でのゲスト俳優の特徴?)。もう一人の注目はミルクホールのJ.K.goodmanであったが中国人役を適当中国語で好演。緩いグダグダな芝居を締めているのは、個々それぞれの中の欲望(それも下半身に近い方の)であり、人間としての振る舞いの背後に「欲望」が薄っすら見えるのが楽しい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「ほー いいじゃないか こういうのでいいんだよ」と言いたくなる
    城山羊の会らしい娯楽大作でした。たぶん、来年も観に行きます。

    観劇中、ずっと女性のお客さんはどう思うのか気になった。

    ネタバレBOX

    普通に玉が見えていた気がする、前張りとかしないのだろうか。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    『劇団普通』を主催する石黒麻衣さんが女優として出演されるとのことで気になり観に行った。イメージ通りの配役、文句無し。
    超満員熱気ムンムン。途中で帰る女性がいたが、それが正常な程下ネタ満載。たけし軍団の臭いがプンプンする。新人マッサージ嬢に金の力で抜きをひたすら要求するような笑い。常連であろう女性客も多かったのが流石。

    舞台はそのまま三鷹市芸術文化センター。前説は本物のセンターの副主幹、森元隆樹氏。そこにやって来る岩谷(いわや)健司氏。どうも政府のお偉いさんらしい。森元氏が施設の案内をしようとするも中国人の団体客が押し掛けて来て席を外す。代わりに新卒の岡部ひろき氏が相手をするのだが···。

    性欲の化け物、岩谷健司氏が好き放題。ノリがガダルカナル・タカ。全裸になり、巨根を見せ付けながらも立ち居振る舞いが紳士。
    岡部ひろき氏はしずるのKAƵMA似。
    村上穂乃佳さんが綺麗だった。
    岡部たかし氏の中国語が立派だった。

    驚く程独特の笑いが炸裂。脳がバグるようなセンス。業の深い因縁が絡み合ったある家族の揉め事に何となく巻き込まれる岩谷氏の物語。誰も予想のつけようがないラスト。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    異様に面白いシーンの空気感はあるのだが話があんまりスウィングしない。淡々と進む。

    三鷹市芸術文化センターの壁が左右に開くとホテルの一室。岩谷健司氏は常連の店からマッサージ嬢を呼ぶ。入って二日目の石黒麻衣さん。「健全店に変わったので性的サービスは一切出来ない」と断りを入れる。了承した岩谷氏、マッサージが始まるとギンギンに勃起したペニスを見せ付け、鼠径部のマッサージを要求。断る石黒さん。果てしない押し問答。泣き出した石黒さんは主に祈りを捧げる。現れたイエス(朝比奈竜生氏)は声が小さくぼそぼそ喋る為、殆ど聴き取れない。
    まあそんな話。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    城山羊の会『萎れた花の弁明』を観劇。

     劇場の階段を上がり、舞台のセットが見えた瞬間、どのように始まるかが分かってしまい、笑ってしまうのである(三鷹で城山羊の会を観た人しか分からない仕掛け)。
     今までと同様にエッチな演劇ではあるが、『性とは?』を話しの筋としつつ、男性の身勝手な論理で進んでいきながら、言葉の行き違い、本音の建前、日本人論など可笑しなキャラクターたちが進めていく物語に、喜びと楽しみを覚え、期待は決して裏切らない。
    性について論理的?に語っているからか、男性観客のみが妄想で生じる下半身ムズムズは感ずる事もなく、リアルな物まで見せられてしまうと、『妄想はリアルに敗北!』とまで思えてしまう。気が付くと我々の性はコントロールされ、作家に中毒症状にされてしまうのである。
     第七病棟『ふたりの女』のラストシーンは演劇史上最高の舞台仕掛けと謳ったが、それに劣らず今作も、驚愕、鳥肌、失笑…の終わり方であった。
     それはさておき、この劇団は12本目の観劇だが、明らかに社会背景が如実に表に出てきているのは確かだ。コロナ、原発汚染、少子化、宗教、性の大衆化と世の中の問題を物語の主軸としている点は見逃せない。イギリスから帰国して物語の方向性が一気に変わった野田秀樹の様にはならないと思うが、俄然面白くなってきているのは間違いない。
     次作も大いに期待するのである!

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