期待度♪♪♪♪♪
本シリーズ三作目が初JACROW観劇の舞台で、以後リピーターとなるだけのインパクトあり。毀誉褒貶の激しい政治家田中角栄がついに政界のパワーゲームの前に崩折れる姿を描いてこれは是非第一作「夕闇」第二作「宵闇」も観たく思ってはいたが、スケジュールを見れば「夕闇」は可能日が皆無、「宵闇」は微妙、既に観た「常闇」は二枠とも観れるというご多分に漏れぬ運の悪さ。此の度は諦め何時来るか分からない次回に期待。観たい。
多分十代の頃、本屋でふとある劇画本を手に取って読み始めた事があった。辺りは静かだったから古本屋だったか、町の小さな書店だったか。ページを開き、何か素通りし難い実話っぽい物語に引き込まれて行ったが、終盤にそれが田中角栄の事だと分かった。当時子供だった自分にとってその政治家は言わば「悪人」であった。が、善悪では割り切れない「秘密」を知った気になったのを覚えている。汚職疑惑のみならず、日本列島改造論で日本の自然を破壊した、そうした「開発」と「金」に塗れた印象があった。
米国従属史の文脈から眺めればこの政治家が別の貌を見せるのを今は承知している。米国の公文書公開制度と、最新知見をひもとく学者やジャーナリストの存在のお陰だが、メディアはそんな情報は取り上げない。従来型を塗り替える事は今やご法度。演劇作品がそこにどう切り込んだのかも興味津々な訳である。観たい!