十字路と絵本(終演いたしました!ご来場誠にありがとうございました。祝!!2011年上半期シアターシャイン演劇奨励賞を受賞しました!) 公演情報 十字路と絵本(終演いたしました!ご来場誠にありがとうございました。祝!!2011年上半期シアターシャイン演劇奨励賞を受賞しました!)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    個人的には好みでした
    舞台セットとして絵本があり、それが独特な雰囲気を醸しだしていて、開演前からわくわくしました。
    早いですが以下ネタばれにて。

    ネタバレBOX

    ストーリーとしては、メインの軸の中にオムニバス形式で「嘘と踊るソナタ」「幸せな日々」「彼女から遠く離れて」という三つの話を詰め込んだ形。

    契約をしに来た子に魔女のような人が絵本の話として語る形式だったので、登場人物である役者さんたちはそれぞれ世界観を表すように、独特なメイクを施して居た。小物も絵本に相応しい分かりやすく作り物だとわかるもので誂えてあり、個人的には世界観の創造には成功していると思う。
    ただ、作品中で重要な十字路は照明で表されるのだが、舞台セットの絵本の絵柄で良くわからないのが少し残念。

    お話自体は、割合ありがちなお話だったように思う。
    それでも、舞台でしか出来ない表現(本や漫画でやってもあの雰囲気は出ないと思うし、映像媒体もセットが複雑になりすぎて雰囲気が違う気がするのです。個人的に)だったので、それはそれで良いのかな、と。

    とは言え、少々腑に落ちない点も。
    「嘘と踊るソナタ」ですが、あの内容は、そもそもお金が関係せずとも、あの言い合い程度で壊れる友情なら端から壊れていたような気がします。お金が元で、ならともかく基軸が恋愛だったり相手の性格だったりでしたので。
    金銭と絡めたエピソードの方が良かったかと思います。
    それと、須藤さんが下半身下着姿で過ごす時間が長いかもしれません。
    私は大丈夫ですが、人によっては嫌がる方も居られると思うので^^;

    また、暗転が意外と長く感じてしまったのが残念。
    テンポが悪くなり、少し冗長な気分になりました。
    そして数名発声が足りていない役者さんが居られて、せっかくの雰囲気が崩れているように感じたのも残念でした。もう少し大きな会場になると多分聞こえないと思います。

    と、色々(?)書かせて頂きましたが、個人的には好みな雰囲気なお話ではありました。
    「幸せな日々」に出てくるピエロさんの演技&演出は友人共々お気に入りでしたし、最後にフラッシュ照明で数名だけ出てきた役者さん(謎の女・ピエロ・業者・須藤)は「悪魔」だったということかな? と勝手に解釈したのですが、ストップモーションみたいになるあの照明、個人的にかなりかっこよくて好きでした。
  • 満足度★★★★

    メルヘン。
    うん、メルヘンだった。

    ああいうメルヘンを作り出すのってとても難しいと思うのだが、うまいこと作り出していたと思う。

    そしてとても面白かった。

  • 満足度★★★★

    まるで・・
    小さい劇場なのにセットが素晴らしく、また衣装も絵本の中から出てきたようで、自分がまるで絵本の中にいるようでした。
    個人的には、面白く、そして切なく、感動もし、とても楽しく観賞出来ました。
    私個人の好みとしては、2話目の女優さんが生き生きと演じていて魅力を感じました。

  • 満足度★★★

    演出の拘りは賞賛したい・・・
    演じる舞台上には、厚さ15cm程度に幅2m位で奥行き3m位はあるだろうか立派な一枚板が敷かれ、聖書の中にある詞と絵のようなものが書いてある。そこが十字路で、その十字路を昼夜陰日向なく見守るように、舞台右上部に向日葵を思わせるよう微笑む太陽、舞台左袖下部には、嘆きを思わせるような三日月を描き組み込んで、立派で美しいステージが創られている。
    暗転時には太陽と月の目が灯りとなり、神の下僕のような黒衣を纏った美術係りの動きをうっすらと照らして、深闇の世界でも神の目は惑わせないことを暗示するような仕掛けとなっている。入場者が50~60人強のこの小屋で・・・と、その舞台演出の強い想いと意欲を讃えたい!
    その十字路で、それぞれ作者が異なる第一話「嘘と踊るソナタ」、第二話「幸せな日々」、第三話「彼女から遠く離れて」の物語がオムニバス形式で構成され「十字路と絵本」の上演となる。
    そして三話ともに出演者全員が、絵本から飛び出した人物をイメージングさせるような印象的なメイクをして演技をしている。この不思議さの統一は見事だ。
    道化ピエロを登場させ夫婦ネタを喜美麻呂ほどではないけど、悲劇とも喜劇とも思える嘆きの心の彩を表現したり・・・開演時に流れる楽曲は、それが、80~90年程前のアコースティック・ギターの弾き語りで「クロスロード伝説」のアフリカ系ブルース歌手・ロバート・リロイ・ジョンソンであることなどの拘りも賞賛したい。
    舞台美術・出演陣のメイク・音響など着想に優れた演出と思うのだが…。以下ネタバレ…。

    ネタバレBOX

    謎の魔女的で絵本作家のような女(松下愛子)と、願いが叶うよう申し出る女(うじいえともみ)の二人の絡みをナビゲーターにして芝居が進行、最後に三話とも集約され終演する。
    しかし、一話のように芝居ネタに多少稚拙な感もあるが、それよりも、舞台での謎の女・松下と交わされるうじいえとの二人の会話が、知人同士のようで緊張感が全く見られず拙い。一話より二話、二話より三話、そしてエンディングへと盛り上がり結び着けば良いのだが、それが為に緊迫感が出て来ない。それは、謎の女・松下の描写が不十分で、カリスマがなく、役柄の立ち位置・神秘性を軽率にしているように感じること・・・。うじいえにも、望みを必死に訴え願い出るような動機や必然性が見受けられない役柄であることが挙げられる。
    劇団のキャスティングには限界があると思うが、細かく配慮し優れた拘りの演出が出来る能力を持つだけに残念だ!第三話・母キョウコ役(聖子:ジャムジャムプレイヤーズ)程の存在感が有れば、うじいえともみも単純なガイドではなく狂言廻し役で輝いたと思うが・・・。
    あと、他の役者陣に言えるのだが、特に飲食等の演技は、陳腐で興醒めにも似た感が有り勿体ない。受けを狙ったかも知れないが、不用意な小道具類を遣う演技が原因と思う。
    五感による生理現象からのリメイクによる感情表現は全く出来ていない。今後、より高見へ翔く為には、小さな積み重ねの実践で成長努力し改善して欲しい。改善されれば満点だ!
  • 満足度★★★★

    アシメなメイクが幻想的
    絵本のページを開いたようなセット、左右非対称な幻想的メイクでリアル感をとことん消しておきながら、演じられるストーリーは結構現代的。最初の2つのストーリーで解読のパターンを示しておきながら、3つ目はそれでは解けないストーリーにするなど、なかなかの策士です。

    ネタバレBOX

    やっぱりブルースじゃん。ロバート・ジョンソンじゃん。
  • 満足度★★★★★

    小劇場ならではの濃い空間と内容を堪能
    (すでに他の方が書かれているように)3話のオムニバス的構成である。
    そしてその3話は、魔女(?)が、そこに願いを叶えにやってきた少女に、
    絵本を読み聴かせる、という設定となっている。
    私は開演ギリギリに会場に着いたので、
    ほとんど予備知識もないまま観劇したが、
    この3話がそれぞれ作者が違うとも気が付かなかった。

    言われてみれば、たしかに作風は若干違うものの、
    「願いを叶える代わりに、大切なものを失う」というコンセプトで一致しており、
    どの話も、人間なら誰しも持っている「悪魔性」と共に、
    「人生とは?」「生きる上で最も重要なものは?」
    という問いを観る者にも考えさせる作品である。

    ということで、「挿話」としてはそれぞれ結構長いものの、
    統一性も取れていて、演劇全体も1つの作品と感じさせる内容となっている。

    「絵本」という設定がまず良く、私が期せずして「観たい」に書いたことだが、
    ある意味、人生の残酷さをも含んだものである。

    ネタバレBOX

    1話目では、女性同士の友情が、
    男性の出現によって微妙に破壊されていくさま、
    2話目では、残酷さの中にも潜んでいる「喜劇性」が、
    ピエロの登場によりダブらせて表現される秀逸な手法、
    3話目では、亭主に逃げられた女の疲れた人生と、
    愛情をうまく表現できなかった子育て、
    そして、母と子、そして子供達同士の感情的葛藤と融和・・・
    ・・・が、それぞれ見事に表現されていたと思う。

    そして、この芝居が成功した理由としては、小劇場ならではの濃密な空間作りと、
    童話的なややシュールな雰囲気を、
    決して豪華なものではないが、よく考えられている
    衣装や大道具・小道具、そしてメイクなどで
    上手く描き出していたことも一因だろう。

    課題を挙げるとすれば、こういう芝居ではしっかり暗転した方が良いと思うが、
    多少光を残していたこと・・・
    そして、その光は、擬人的な顔のある太陽と三日月の目の部分が
    緑色に光ることによってもたらされているのだが、
    「暗転時」にはその顔は暗くて見ることができず、
    ただ緑色の灯りが3つ、としか見えないため、
    おそらく意図したであろう独特の気味悪さを
    感じることができなかったことである。

    しかし、「人生の毒」に対しての観る側の好みはあるかもしれないが、
    私的には、小劇場ならではの濃い空間と内容を十分堪能でき、大変満足であった。
  • 満足度★★★★★

    絵本のような
    好みのタイプのファンタジーでした。人生の岐路は、まさに十字路で、まっすぐにも進めるが、右も左にも、そして引き返すこともできる。いくらでもやり直しもできるが、なにかを失うこともあるけれど、見えなかった事が、やっと、わかったりと、悲喜交々を絵本の中の3つの世界(作者も3人)で、描いていると思いました。絵本の世界観が、良く出ている美術は、イメージピッタリでした。各キャラに似合うヘアーメイクや衣装、小道具の色使いや質感も、作品にとても合っていて、良かったです。作品のあらすじは他の方が書かれれいるので、ネタばれは個人的な感想です。

    ネタバレBOX

    「嘘と踊るソナタ」・・・作:藤崎綾子さん
    真の友情とは?と感じた作品。琴音(こうのゆかさん)が、ちょっと憧れながら頼りにしていた親友(佐々木ゆりさん)との仲が、恋(岩間健児さん)やお金という現実で崩れてくる残酷さもあったが、自分の殻を少し破る事が出来そうな琴音を感じた。琴音の自信無さげな姿勢から無邪気な笑顔、一喜一憂する複雑な心情表現が、とても良かったです。
    顔の左右で違うメイクも、心情の光と影として、作品にとても合っていました。

    「幸せな日々」・・・作:小林一恵さん
    夫婦愛を感じた作品。恋愛でもそうだが、女性が男性に『痘痕も笑窪』的幻想から冷めていく感が、とても的確だと思いました。幻想だと気づいてからは、ちょっとした事でも気になってしまうが、なんとか持ち直そうとする妻(小林一恵さん)の葛藤と愛情表現が、とても良かったです。この感覚って、恋愛に限らず、大なり小なり、人の持つ陰だったりするな~と、思いました。
    妻の願望と葛藤を、ピエロ(清水良憲さん)が舞台脇で後押しするのが、時にコミカルだったり残酷だったりと、パントだけなのに、良かったです。
    幻滅していた夫(滝本啓太さん)が差し出すトランプ<ハート❤の10>に込められた愛情表現(❤の数が一番多い=いっぱいの愛)が素敵でした。そんな事でも愛情確認できる喜びは、女性特有かもしれないけれど、同感しました。
    そして、手だけの宅急便屋さんの、演出も良かったです。

    「彼女から遠く離れて」・・・作:松下愛子さん
    家族愛を感じた作品。母の介護に追われるメグミ(柳カナエさん)の元に、久しぶりに見舞いに来た兄マコト(古川桂次郎さん)と喧嘩が絶えない。幼少期母の愛をもっと欲しかったメグミにとって、母の介護の為の犠牲は、兄との口論になってしまっていた。
    業者(ティラミス田仲さん)が、家の荷物を処分する際に、母の昔の日記が見つかる。若かりし母キョウコ(聖子さん)が日記を語る形で、兄妹には子供過ぎて解らなかった母の愛や生活の現実がみえてきて、兄妹愛も思い出し、凝り固まったメグミの心が、解けていく姿が、見事でした。

    光輝く夢(願い)をかなえる為の、現実に秘められる陰や毒を、絵本仕立てというオブラートに包む感が、良かったです。
    壁の窓の向こう側を通る人々の、ふっと見せる深層心理が、的を得てると思いました。
    暗転中に、舞台のセットを動かす人がマントかけてたり、細かいコダワリも良かったです。

    壁の月とお日様の表情も質感も良く、床の絵も素敵でした。床にしとくのは、もったいないと思いました。パステル系のフエルトや紙粘土風?の質感の小道具達が、とても良かったです。

    前回とは全然違うカラーに驚いたが、人の心情って、どこか滑稽で矛盾してるけど、魅力を感じました。次回作も、楽しみにしています。
  • 無題31
    上期最終日は、シアターシャイン(2回目)。南口を出て商店街を歩きます。さすがにもう絵本は読まないのですが、今日は3つの寓話。舞台は絵本を開いたよう。三日月、太陽には顔があり、床は挿絵でしょうか、絵と文字が描かれています。初日だからか、お客さんの層が少し違うようです(印象ですけど)。悩める女性と魔法使い(魔女?)。叶えてほしい願いと交換するのは「大切なもの」。

    ネタバレBOX

    そこは十字路、願いをひとつだけ叶えてくれる場所、進むのか戻るのか決めるところ。その代償は、魂ではなく、大切な「物」。女性は何を願うか決められず、魔法使いは、3つのお話を語って聞かせます。「嘘と踊るソナタ」「幸せな日々」「彼女から遠く離れて」。ずいぶん作風が違うなと思ってみていましたが、作者が3人なんですね。

    役者さんたち、変わったメイクしてますね。これは絵本の中のお話だから?願いの代償は、ヴァイオリンやノートだったりするけど、ホントはそうじゃない、というのがわかりやすく演じられています。

    1話目、もう少しテンポをあげたほうがいいと思いますし、下半身をさらし続けるのはどうかな…。
    エアコンが4台だったか、かなり音がするので気になりました。

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