満足度★★★★★
ほっこり幸せ~
これは最近観た中でもいい!!リアのパロディなのですが、東日本大震災や、今の日本の現状をうまく取り入れた作品になっています。
何よりも、ドロリアという惑星にいる住人たちがいいのです。ほっこりさせてくれる。そのなかでも、少女を演じた溝口さんがとても良かった。真っ直ぐっていうのがこんなにも強く、素晴らしい物なのだと実感させてくれた。
満足度★★★★
希少価値かも?
友人に誘われて観に行きました。正直ギャグは古いし(「だっちゅうの」は久しぶり)苦笑しちゃったのですが、むしろそれを堂々とやりきっているところが何か好感が持てました。芝居事態も現在の若い劇団のテイストとは一線を画すというか、80年代小劇場ブームの頃からそのままきた感じなのですが、でもケレン味があって、それがかえって今だと希少価値かも?とさえ思いました。この劇団のHPを見て過去には野外劇をやったり渋さ知らズが劇伴をやっていたり演劇の枠をはみ出したような活動をしていたようですね。その意味では今回は大人しく劇場におさまったという感じです。(でも装置は大がかりだった)。今後また劇場の枠をはみ出すような活動を勝手に期待してみます。
満足度★★★
日本の現況を反映した『リア王』
シェイクスピアの『リア王』を下敷きに、笑いを交えながら現代的なトピックを盛り込んでいて、猥雑な雰囲気のある作品でした。
現代の日本のある家庭で母が亡くなり、痴呆症が現れてきた父を3姉妹のうちの誰が面倒を見るか討論するところから物語が始まり、次女の夫が徘回する父を追っているうちに「ドロリア」という星に飛び、『リア王』の物語が繰り広げられる展開ですが、エンディングは悲劇的な終わり方ではなく、希望を感じさせるものでした。腐敗していく王族の状況を今日の政府に重ね合わせる意図は分かりますが、表現が直接的過ぎだったと思います。
リア王に相当する役を2人1役で演じていたのですが、善と悪のような対照的な性格を割り振っているわけでもなく、ギャグ的な効果しか感じられなかったのがもったいないと思いました。ちょっと古い小ネタや、同じシーケンスを何度も繰り返すようなベタな展開は、趣味が合わずほとんど笑えませんでした。
役者に関しては、3姉妹を演じた女性陣がキャラクターの造形がしっかりしていて魅力的でした。
ファッションショーのランウェイのような形のステージは、シンプルながらもちょっとした仕掛けもあり、上手く使われていました。渋さ知らズの不破大介さんによる音楽は、あまり劇音楽としては使わないようなフリージャズ的な要素があり新鮮でした。