生誕百年 「岡本太郎の言葉」展 2011 公演情報 生誕百年 「岡本太郎の言葉」展 2011」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 201104271900
    201104271900@ストライプハウスギャラリー

  • 満足度★★★★

    岡本太郎の思索のリアリティ
    場所、音、そして役者たちの語る力がしっかりと融合して
    岡本太郎の思索の流れが
    しっかりと足腰を持って浮かび上がってきました

    ネタバレBOX

    場所は画廊というか美術館の展示室のようなところ。
    地下のスペースなのですが、
    中央には上階へあがる階段があります。

    中央にチェロ奏者が配され、
    奥側に20席程度の客席
    その中で、役者たちが
    岡本太郎の文章を空間に組み上げていきます。

    役者達の動き・・・、
    始動、停止、方向、緩急・・・
    岡本太郎の少年のころの言葉が響く
    チェロの音が空間に色を醸し出して・・・。

    その部屋はどこか無機質な印象があって
    それ故に眼前の絵面が映える。
    役者の動きの見える部分と
    階段や客席の背後に回って見えない部分が
    それぞれに意識と無意識の領域に思えたり。

    異国の地で
    母の危篤や逝去を知ったときの心情。
    父への想い。
    そこから、美術への開眼、
    グルーブ感を感じさせるような
    彼の表現の広がり。
    独歩し、境地を築いていくなかで
    その部屋全体に高揚が育まれ
    観る側に注ぎ込まれていく。

    チェロは心情のうねりを刻みこみ
    役者の歩みの一歩ずつが
    彼の思索を織り上げる糸となる。
    作家の感性の昇華は、
    やがてその部屋を溢れさせていきます。

    CMなどで有名になった
    「芸術は爆発」という言葉が記憶に蘇る。
    劇中に出てくる言葉ではないのですが、
    見る側の記憶に眠っていたその言葉が
    ぞくっとくるような裏付けをもって
    降りてくる。
    そこには頂きに達して、なおも歩みを止めない
    稀有なる天才の精神世界があって、
    彼の言葉に織り込まれたまばゆいばかりの感性の洪水に
    観る側はひたすら圧倒されてしまう。

    観終わって、暫く呆然。

    ほんと、深い感動に包まれた。
    包まれたのですが、
    その一方で、なんだろ、
    目が眩んて、岡本太郎の息使いを
    感じきれなかったような
    感覚もあって。
    自分が抱えたものより大きな感覚が
    そこにあるようにも思えて。

    あまりの力感に
    圧倒されすぎたのかもしれません。





このページのQRコードです。

拡大