満足度★★
随分前ですが
あまり面白いと感じられませんでした。
作品を作り始めた頃、ちょうど地震が起こって、
演出家は地震以後創作力の凍結したそうです。
その所為か、いささかイメージの未熟を感じました。
物語の力で引っ張っていく作品でないことは分かりますが、
イメージの未熟、緊張感のなさ、甘さを感じました。
しかし、同行の友人が非常に良い解釈をしていたので書きます。
おばあちゃんたちを世話する男子のありようなどから、
彼女たちへの優しい眼差しを感じたと言っており、
それが地震を経て演出家が世界に対して思ったことなんだな、と。
地震以後、社会に対する怒りを持つ方も多いようですが、
一番大切なのはそれではないと思っていました。
タニノさんが地震を経て、苦しんで、なんとか作り上げた結果が
優しさを持つものだったのは大変重要なことではないでしょうか?
<以下、毒>
アフタートークで、お客さんの一人が
「ブッツバッハ村」との類似を指摘されてましたが、
当方も同じことを思いました。
タニノクロウさんの演出する舞台を見たのは初めてでしたが、
元々、演劇スタイルが似ていたのでしょう。
それにしても、過激な程そっくりなシーンがあったことは驚きです。
タニノさんは「ブッツバッハ村」を観劇していないが、
ビデオは観たかもしれないというような回答をされてました。