新ハムレット 公演情報 新ハムレット」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     ちょっと変わった配置である。板は会場内センターに設けられ、周りを観客が囲む形。オープニングでは板上に白、茶、グレイなど大小さまざまなの円形のシートを敷き、会場入り口から観て上手の観客席の切れ間に人の背丈ほどの四角い骨組みが立てられ、丸い演技空間の四カ所の床上に投光器が1台ずつ置かれている。演技空間の真ん中には六角形の底面を持つ箱馬が1つ。天井からは演技空間外周を囲むようにレース状の布が誂えてある。

    ネタバレBOX

     第20回明治大学シェイクスピアプロジェクトのラボ公演である。ご存じの通り、今回上演の「新ハムレット」は太宰 治の原作であるが、本公演で演じられるシェイクスピア原作の「ハムレット」とも見比べることが出来る訳だ。是非、観ておくとよかろう。
     ラボ公演ということで、会場は可成り小さく収容人数も少ないものの、内容的には極めて面白いし、様々な工夫、学生さんらしい気の利いた茶目っ気も施してあって気持ちが良い。シェイクスピア作品ではハムレットの苦悩自体の深刻さが重点を為すが、今作・新ハムレットでは、世相としての政治、日本が長きに亘って行っていた戦争の最中に書き続けた太宰という作家の位置を含め、大人の事情が政治・世相と絡めてより大きな位置を占めている点でも極めて意味深長である。

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