満足度★★★★
鶯の身を逆に初音かな
3軒茶屋婦人会の第4回公演、というよりも、わかぎゑふオリジナル脚本&G2演出、という組み合わせに、大いに期待して観劇。
結果は、決して悪い印象ではなく、充分に面白くはあった。しかし何かが足りない。
「女形三人」というか「オカマ三人」というか、その掛け合い漫才的な応酬は終始楽しい。時間を徐々に遡っていく構成が、最後にはしんみりと胸を打つ感動を呼び起こす、その効果を評価するに吝かではない。
けれども、「この芝居は、もっと面白くできるはずだ」という思いを、どうしても拭い去ることができない。演劇としての仕掛けが「理に落ちている」ために、ドラマそのものに破綻はないが意外性もない、あるいは「演劇の“神”が降り損なっている」のである。
もっとも、箸にも棒にもかからない「演劇もどき」の舞台に比べれば、『紅姉妹』への不満は「贅沢な悩み」でしかないのだが。
満足度★★★
見本のよう作品。
終戦から現代まで、アメリカに住む日本人(日系人)3人の姿を、時代を遡りながら描いていく。
時代が遡るたびに出演者たちは若くなっていく。
いま語っていることが後でどうなるのか、観客たちはその答えを既に見ている。
そして、古い時代3人にどんなことが起こったのかも徐々に知らされる。
それは微笑ましかったり、残酷だったりする。
時代背景もしっかりとしている。
3人のキャラクター配置も考えられている。
何の欠点もないとも言うこともできるのだが、ちゃんとしすぎていて面白みに欠けることがちょっと残念。