満足度★★★★
不朽の名作を堅実に演出
リアルな舞台セットを含め、基本的には原作を忠実に舞台化。メインキャスト3人はそれぞれ毛色は違うものの、精彩ある演技。特にステラ演ずる鈴木砂羽のナチュラルで柔らかい演技が出色でした。
興味深かった点は、1940年代アメリカの猥雑でエネルギー溢れるコミュニティーをあえてそのまま押し出すことで、かえって表現上の異化効果を発揮していたこと。現代の日本ではとんと見られなくなった光景ですから。
満足度★★★★★
混乱・笑い・暴力が織成すダークファンタジー!
小田島さんの批評家さんの叱責をものともしない斬新な翻訳(普通の会話のやり取りでも、すれ違い、受け取り方の違い等々で十分笑える場面もあり、力量のなせる業と感服)、松尾さんの綿密な演出(プリミティブな混乱、笑い、暴力/シャツ・衣類、シーツ、裸電球、扇風機、飲料等々小物の扱い方迄、繊細)、秋山さんの妖艶で危うい狂気のブランチ(最高!≦「まほろば」)、池内さんの野卑で下品で子供ぽくワイルドな、なりきりスタンレー(「コースト・オブ・ユートピア」「ザ・キャラクター」今回と3作拝見させて戴き、遅まきながら良い役者さんと痛感。)、鈴木さんの愛すべき2頭の猛獣の間で困惑する献身的なステラ(お初ですが、さすが文学座)等、主演お三方の精魂尽き果てた熱演、脇を固めるオクイさん村杉さん猫背さんの好演、映像・音響・照明全てが一級品でした。あっという間のワクワクな3時間でした。
欲を言えば、ニューオリンズっぽく、も少しジャズが欲しかったです。
追伸、身近な席に本田劇場「桃天紅」の楽日を終えて間がない中、生「平田敦子」さんの、ふ(失礼。)とってもチャ~ミングな、ご尊顔も拝する事が出来、さらにテンションが上がった一日となりました。
<ハナモズクさんコメント>
面白いお芝居でした。人それぞれが、関わっていく中で、心のバランスを取るのが如何に難しいか、という事を痛感しました。