満足度★★★★★
初コエキモ
この作品が、私と「演劇集団 声を出すと気持ちいいの会」の初めての出会いである。
なんて演劇的な事をやってるんだろう。
感想はそこに集約される。
ドラマを再生するに留まらず、
我々の想像力を刺激する身体性・演劇性を探究する事に挑んでいる。
そんな感じがした。
私が好きな「演劇」も、まさにこのラインにある。
演劇にしか出来ない演劇。
それが今、必要なのである。
構成も古典に題を取っていて、ダイナミックな演劇性を持っている。
今後が楽しみな劇団だ。
ハムレットの”当然”に挑んだ
古典をテーマにするとその演出家なりの”解釈”を求められるものですが、
この公演も演出家の挑戦する姿勢が、解釈の中で表現されており、とても興味深く面白い内容に仕上がっていた。
役者・スタッフとも手堅く、安心して観られる。
この劇団と演出家の行く末に期待します!
満足度★★★★★
抜群の完成度、その才能恐るべし
かなり期待して観に行ったが、期待以上の作品だった。
上演時間1時間20分と聞いて、「今回は短いんだ」と安心したら大間違い。
構成・演出、ともに優れ、2時間くらいに感じたほど密度が濃く完成度が高かった。
この劇団は俳優の演技たちの基礎ができており、臆することなく、迫真の演技ができるのが強み。
いくら作・演出がよくても俳優が素人くさかったら、こうはいかない。
終盤の息詰まるような臨場感、ぜひ、もう一度観てみたいと思う作品。
有名俳優を起用して中央の劇場で上演しても、話題作となるだろうと思わせる。
山本タカ、末恐ろしい才能の持ち主である。
観劇。
山本タカさんの演出力には素直に舌を巻く。過去二作観ているが、今回の出来は群を抜いてよかった。勢いで駆け抜けるがゆえの中弛みはありつつ、際立った幾つかのシーンが脳裏に残る。何より役者の演技力の上達が、成功の要因に大きく影響している。
コエキモの芝居は毎回密度が濃くて疲れる。舞台上で発せられる怒鳴り声が、躍動する肉体の勢いが、観客を圧する。体感時間が実に長い。八十分の上演時間だったなどと、とても信じられない。それだけ世界に引き摺り込む力が強いのだと解釈する。舞台美術も相変わらず凝っていて楽しい。