Sign of the times 公演情報 Sign of the times」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    3作品とも深く言葉選びが良かったが、それが私にはわかりにくく入っていけなかった。
    3人の演者さん皆さん熱演で素敵だったので理解力の低い私が駄目なんだろうな。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。満席
    Sign of the times…世相という意らしい。が、この世相は演劇・映画など芸能界をはじめ色々な所で問題になっていることを描く。今に始まったことではないが、それまで表沙汰にならなかっただけ。それを3人の作家による微妙にテイストが異なる3作品を3人の俳優が演じるという試み。総合演出・構成台本は丸尾聡 氏、ゆえに 別名「丸尾祭り」とも言うらしい。御年59歳で、来年60歳の還暦記念公演を、いやいや今できることは先延ばし しないという。

    「3作家の3作品(短編)が連なり重なり合い、3人の俳優によって一つの物語へ」という触れ込みだが、寄木細工もしくはジグソーパズルのようにピタッと整合性があるように まとまるわけではない。それぞれの短編に描かれているコト、それが今の時勢であり、古き良き時代などという懐古的なコトとは一線を画す。特に「もらえるまで」(作・大西弘記 氏)は自虐ネタかなと思えるような。そして「量子探偵とフレーム密室」(小野寺邦彦 氏)はSF風だが、最近話題の「Chat GPT」を連想し、一つの物語を構成したのは などと愚にもつかない想像をしてしまう。

    観方(視点)を変えると違った結論へ、そんな怖い面をも描いており強かな物語である。「背中をむける」(吉田康一 氏)では男女の恋愛、それも年齢の離れた師弟関係にある者が好意を抱いたらどうなるのか。当事者ではない者が介入することで恋愛問題が社会問題へ変転していくような怖さ。
    視点といえば、この会場へは初めて行った。2022年オープンというから新しい。制作サイドから最寄り駅(千歳烏山駅)から会場迄の丁寧な道順メールを受信。会場は芦花公園駅とのほぼ中間点にあり、自分は新宿に近い芦花公園から歩いた。視点とは違うが、向かう方向が逆だと景色も異なる(当たり前の話)。世相も視点等が異なれば違った結果になるかも、そんな考えさせる内容だ。

    作品間に休憩はなく、3俳優は 素早く着替え場転換をする。3俳優の役柄は ほぼ等身大の年齢で見た目の違和感はない。勿論 3作品で演じる役はまったく別の者であるが、淡々と情感溢れる演技に引き込まれる。同時に、比較的小さい会場ゆえの密接感、その至近距離が臨場感を漂わせる。よい会場での良い企画公演。
    アフタートーク:吉田康一 氏。
    (上演時間1時間45分 途中休憩なし。アフタートーク20分ほど)

    ネタバレBOX

    奥に目隠し用の衝立があるだけの基本 素舞台。上手 下手に演台等が置かれており、情景に応じて小道具を動かす。また 短編毎に衣裳替えを行う。

    [背中をむける]
    女子大生が思わせぶりな態度で教授に言い寄る。が、その妹が現れ姉が傷ついた、どう責任を取るつもりだと迫る。傍からみると<セクハラ>といった光景、しかし教授は真剣な愛の結果だと言い張る。男と女の関係は、例え 妹とは言え 第三者が関わることで情況が違って見えてくる。子弟という関係は、自由恋愛と言ったところで世間は納得しないような風潮か。

    [もらえるまで]
    劇作家は記憶喪失になる前は劇団員等に対し<パワハラ>を行っており、その仕返しに若い俳優に金属バットで殴られる。本当にパワハラを行っていたのなら謝りたいと言うが、記憶喪失(罪の意識がない)状態で謝っても真情ではない。良かれと思った演出が相手にとっては不愉快になる という難しさ。記憶が戻っても謝ることが出来るのか…。

    [量子探偵とフレーム密室]
    現実的な世相から一転 SF調へ。その量子AIは極めて現代的な話題の1つ。「Chat GPT」のようなAIが小説や戯曲を書くような、そんな夢物語のような時代になってきた。3つの短編は夢落ちのような結末だが、それぞれの話の中には現代の世相、それも苦々しい出来事である。今まで言うことが憚られるような、それが今になってようやく社会 組織の膿が…。

    必ずしも心地良い世相ではなく、何方かと言えば芸能界(映画や演劇界含めた)内容で、不祥事を自虐的に描いているような。しかし、よくよく考えてみれば、観点というか立場の違いによって、真の恋愛がセクハラになり、熱心な指導がパワハラになる可能性が…。今 ギスギスとした不寛容な世の中(世相)になっているのか?
    3短編を緊密に繋いでいるわけではなく、むしろ夫々の短編の持ち味を生かした総合演出、その緩く柔軟性あるところに全体としての妙味を感じる。
    次回公演も楽しみにしております。

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