満足度★★★★
不思議な世界
太宰の生まれ変わりを自称する男を中心にシュールなエピソードが取りとめなく続き、煙に巻かれたような気分になりましたが、それが不思議と気持良い作品でした。
太宰自身のことを思わせる心中の話などが出てきましたが、全体としてどういう話なのかはさっぱり分かりませんでした。しかし物語がなくても個々のシーンが美しかったり妙だったりで、ジワジワと印象に残りました。脱力的な笑いも魅力的でした。
普段と配置を90度変えた、かなり幅広の急傾斜のステージや、台車を組み合わせて作ったタクシー、天井から吊り下げられた通路、下手の壁一面に並べられた照明などビジュアルにインパクトがありました。ステージ後方に見える、通常なら客席の壁にあたる、デザインの入った壁を黒い布で隠したりせず、そのまま見せていて作り込んだステージとのギャップが舞台の虚構性を強調していました。
突然「ピンポンパンポーン」とお知らせのチャイムが鳴り、舞台も客席も明るくなって数秒間何も起こらない場面が、あたかも暗転による場面転換の逆バージョンみたいで不思議な雰囲気があって面白かったです。
役者達は前に出て目立とうとする演技ではないのですが、それぞれのキャラクターが出ていて良かったです。
特に太宰を演じた古舘寛治さんの演技なのか素なのか分からない飄々とした雰囲気が良かったです。
バレエ『牧神の午後への前奏曲』の格好をしたニジンスキーが踊るシーンが強烈でした。
満足度★★★★
本当にゲヘナ(地獄)だった…
最後の五分は何もかも開ききって裏返しになるほど剥き出しのセカイ?サンプルと松井周さんに興味がある人、例えばオーディションとWSを受けるつもりの人は必見。
満足度★★
ラストシーン
ラストシーンに共感しました。
今後の作品も見てみたいと思いました。
松井さんの作る演劇って不条理劇なんですね。
白水社の岸田戯曲賞の本で2作品読んで、世田谷アーチストトークで松井さんの話聞いて、それから見に行きました。
不条理劇だとは思わなかった。
岸田戯曲賞取った人だから、勝手に戯曲重視の舞台かと思いきや、
演出重視じゃないですか。
その姿勢は好きです。
そんな舞台、好きです。
でも今回の舞台は、途中から繋がらな過ぎた。
その繰り返しで。
演出も繰り返し。
基本的に、同じ演出の繰り返しはつまらない。
太宰の話の後は、つまらない時間が長かった。
面白いシーンもあったけど。
今回の台本と、自然食品の店の話しの台本、買ってきたので読んでみます。
映画監督とのアフタートーク、つまらなかった。
満足度★
うーん
長かった。
途中から変化があるかと最後まで見ていたが、大きな変化もなし。
無線で何を言っているのか分からない部分も多く、正直疲れた。
私には難解すぎました。
少し焼き直し感が…
傾斜の強く、モノが雑多に散らばった舞台、人を煙に巻くような
ねじれた感じの台詞、徐々に壊れていく進行。
いつものサンプルでしたが、それだけに岸田賞受賞後の
第一作としては、随所に強く既視感を覚える部分が多くて
思ったほどでは無かったのが正直なところです。
夏にワークショップ、出演者のオーディションを行う旨、会場での
チラシ告知がなされていたので、それを経ての変化に期待します。