満足度★★★★
哀しくも気高く
子供の頃荒い画質の映画版を深夜に観て以来
ずっと「何とかならなかったのか」と思ってきた。
ソレくらい自分にとっては或る意味魅かれる戯曲。
篠井ブランチに対し他のキャスト
特に男性陣の線が細い気がして少しバランスが悪い印象が残ったが
それでも今回は観て良かったと思わせてくれた。
満足度★★★
怪奇!なファンタジー
この戯曲は気に入っていて、国内海外問わず、何度も見ている。
そんな中、この際物のような篠井(女形)ブランチは、何とも怪奇な
印象でしたl。肩幅の広い男性が演じている時点で、
すでに現実味を帯びた作品ではなく、ファンタジーなのだ。
可憐な小島聖と、お坊ちゃま風情で線の細い北村ジュニアの
幸せなカップルに、飛び込んできた魔女といったところでしょうか。
そう、黒い衣装の篠井ブランチは魔女で、白雪姫の小島聖に魔法をかけて
姉と思い込ませている。それを必死に守ろうとしている、北村王子様。
もう全て話しを理解している人が古典を崩して上演している、と
見れば、とても楽しめます。僕も大笑いして見てました。
でも、「名作だから、一度は見ておこう」と思う人、また本来の
作品を見たことない(正統派を未見)の人は、避けてください。
でもグローブ座って、綺麗な劇場ですね。
ジャニーズの劇場になって縁遠くなり久しぶりに行ったのですが
アイドル劇場じゃないけど、軽々しい雰囲気になってるんじゃないかと
思いましたが、昔のジェークスピア劇場の面影も残っており、
いい感じです。ジャニーズは、タレントの若い男の子達の
言葉遣いなど教育や指導も、ちゃんとされているし、
偉いですね。
満足度★★★
欲望から極楽は遠い
欲望という名の電車に乗っているのは私たちも同じなのだと思う。テネシー・ウィリアムズのどん底を生きる人間への率直な目と愛が感じられる秀作であり、今回の脚本も原作にほぼ忠実で、原作のそういう良さがグローブ座の舞台からも伝わってきた。原作にある音楽や効果音へのこだわりもよく消化工夫され好感のもてる演出になっていた。
だが「死と裏合わせにある欲望」を全身で表現しながら生きるアメリカの底辺の人々を日本で再現するのは難しい。日本人はやはり控えめで礼儀正しく、やさしいからだ。
女型のブランチには救いがあった。(同時に逃げでもあったと思うが…)女性が演じた時のさらなる痛々しさは想像すると苦しくなる。スタンレーは好演だった。ミッチー、ステラは上品過ぎた。いや日本的に過ぎたと言うべきか。日本での公演が絶望的なほど難しい演目だと思うが、それにしては善戦していた。
満足度★★★
孤高の美しさ
ブランチの悲劇は、変われなかったこと。
時間と時代が流れて行ったのに、取り残されてしまったこと。
そう、“悲劇”という言葉が、私の頭の中でグルグルと回っていました。
3時間近くの大作ですが、物語に飲み込まれ堪能しまました!