「序の舞」の方ですが…
開演前の音楽、お客様へのお願いからして江戸川乱歩してました(笑)。怪人二十面相、黒蜥蜴、青銅の魔人、人間椅子(?)、平井太郎(!?)らが次々に登場。沢山の乱歩的欠片の詰まったおもちゃ箱のようなイメージ。田中精演じる明智小五郎が、力まず、薄っぺらでもなく、適当に気取っていて魅力的。一瞬、天地茂が出て来ちゃいそうなムードもあったけど、乱歩らしい妖しい暗闇をチラチラさせながらも、気づいてみれば中学生でも楽しめる健全な内容(とっても素敵な黒蜥蜴のお姉さんだって、どこか健康セクシー!)のエンターテイメント作品。あの空間とあの上演時間で、あれだけ“乱歩”してくれたら、“大好きな駄菓子をありがとう”的満足感でした。ただ、ずっと仮面が飾ってあるセットなのは疑問。それ自体は確かに乱歩的ではあるけれど、仮面のインパクトがありすぎて、終始同じ場所にいるような印象でしたね。