実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/01/09 (月) 14:00
クラシック・コンサートの今年の聴き初めは豊島区管弦楽団。ここ数年というものコンサート初めはアウローラ管弦楽団だったが、アウローラは昨年Xmas期に公演を済ませているので。
ベートーヴェンの交響曲第7番と、武満徹の「系図-若い人たちのための音楽詩-」、そしてストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」というプログラムだったが、この中で私が一番聴きたかったのは、成人の日を翌日に控えての武満徹作品だった。邦人作曲家の作品を振ることの少ない和田一樹(そういえばこの演奏会の翌日は和田の誕生日でもあった)が、どのような指揮をみせるのか期待が大きかった。
この「系図」はアコーディオン・ソロの他に谷川俊太郎の6編の詩の朗読が加わる。その朗読は東京都立千早高等学校演劇部の6人の女子高生が担ったのだが、全員が舞台袖に控えており、1編毎に1人が舞台上に登場しては朗読してハケる、ということが繰り返された。私の周りでは朗読の最中に原詩が掲載された当日パンフをめくるペーパーノイズが気になったのだが、それよりも読み手が交代する度に拍手が起こる。音楽は途切れることなく続いているのに、だ。どうもクラシックのコンサートを聴き慣れていない客が多かったようだ。武満の曲は微妙で繊細な音の絡みあいが特色だ。それが拍手によって分断されてしまうのではどうしようもない。
朗読の6人は最初から全員舞台上に登場しており、各自の担当する詩のところで一人ずつ立ち上がって読む、また詩は(当日パンフで確認しなくてもいいように)オペラやミュージカルのように電光字幕で表示する、というような演出をすべきだったろう。