北守の騎士とカルボナードの踊る魔女 公演情報 北守の騎士とカルボナードの踊る魔女」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    予習不足を悔やむ
    6月にここで観た某公演と同じく宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」がモチーフながら他の賢治作品2編も絡めて全く異なるアプローチ…と言うより「グスコーブドリ度」が低かったので、チラシなどに記載されていたその2編も予習しておけばもっと楽しめたか、とちょっとだけ後悔。(もちろん楽しめなかったということではない)

  • 満足度★★★

    混沌としたまま終わってしまい残念。。。
    宮沢賢治原作の「グスコーブドリの伝記」、「北守将軍のと三人兄弟の医者」、「貝の火」という作品をモチーフに紡ぎ出される詩的なイメージ。

    ネタバレBOX

    物語は、「グスコーブドリの伝記」をメインにし、主人公のブドリが失明してしまったというあたりは「貝の火」から、また、疲れ果てたとある公職者がその職を譲ろうとするあたりは「北守将軍のと三人兄弟の医者」から設定を借りている。

    賢治のそれぞれの作品は童話、または寓話として、それぞれ素晴らしいものであるが、本作はそれをうまく一つにまとめ上げることができたのであろうか。

    それぞれの作品の詩的なイメージは端々で伝わってくるものの、一体感、イイタイコトを伝えるという意味においてはそれは十分に伝わってこなかった。

    グスコーブドリの伝記がメインテーマとした自己犠牲について、本作では何故、ブドリが犠牲となって人々を救おうとしたのかが今一つ明快に描き切れていないことがその例であろう。

    面白い作品だけに、改作によってブラッシュアップを期待したい。

    役者陣では、ブドリ役を演じた樋口浩二が熱演。
    また、今村美乃は、1980・梁山泊の「宇田川心中」とは違った光を放っていたのが印象的。
  • 満足度★★★

    どんどん宮沢賢治のお話が放り込まれる
    ストーリーも広げていく。
    結果、世界が膨張して長くなってしまった、という印象。

    残念ながら120分が長く感じた。

    ネタバレBOX

    この劇団は、宮沢賢治がお得意らしい。だからどんどん物語に宮沢賢治の話を盛り込んでいく。
    そして、登場人物が増えるごとに、宮沢賢治ワールドを軸に、さらに物語を広げていく。
    そういうテイストは、面白いと思う。うまい具合に盛り込んでいくからだ。
    しかし、面白みはあるものの、やりすぎではないか、と思い始めてもくる。
    登場人物ごとに関係性を持たせたり、エピソードを重ねていくので、結果、全体が長くなる。というか、長く感じてくる。

    そして、焦点がぼけるてくるのだ。

    まず、誰が軸なのかがはっきりしない。
    いろんな登場人物に、作・演が感情移入しているからだろう。
    それは、もちろんいいのだが、観客にそれをそのまま見せてしまっても、こちらは消化不良になってしまう。

    当然、ブドリが軸にあり、彼が妹の手を離したときに、貝の火を失い、視力を失う、ということから、本当の物語が始まり、それへの回答が物語のすべてになっていくのだろうが、その彼の物語が浮かび上がってこないのだ。

    だから、ブドリと妹の関係が見えてこないし、なぜ妹が兄を赦さなかったのかがわからない。また、ブドリを追って火山に行ったアネルの意図もわからない。あっさりとブドリが火口に向かうことを認めてしまうし。
    どうも、いろいろな関係がしっくりこなかった。

    登場人物が多すぎるということもあるのだろう。サーカス団の女性たちは、賑やかなのだが、例えば、サーカスで何をしているのかがわからないし(黒子のようなひことはしていが)、いなくても成立したように思える。

    そいういう、このキャラクターは必要があるのか? と思わせてしまうところが、長く感じてしまったことにつながっていると思う。

    もう少し整理して提供してほしいと思った。

    歌は楽しいと思ったのだが、「長いな」と思ってからのチェッカーズには、ちょっとイラっとした。教授にも歌わせることで、面白くしたいのだろうが、面白くなかったし。

    また、衣装が、着物からカンフー的なものまでいろいろあったのが、どうも木に竹の印象しかしなかった。

    役者としては、ブドリが熱演だったが、それが活かされてなかったような。また、ソンバーユーの存在には面白さがあった。
    三兄弟の設定は面白く、彼女たちも熱演であったし、本来ならば、いい感じで狂言回しとなるはずなのだが、そうはなっていなかった。
    また、男爵とTVのプロデューサーは、キャラの表現に細かいところまで気を配っていたが、味付けが濃すぎて(主張が強すぎか?)全体の雰囲気と合っていなかったように思える。彼のエピソードも盛り込みすぎだし。こういう役者ならば、もっと演出や設定によって、うまい活かし方があったのではないかと思うと残念だ。
  • 満足度★★★

    欲張りすぎて拡散
    「グスコーブドリの伝記」に「貝の火」「北守将軍と三人兄弟の医者」といくつかの宮沢作品を盛り込み、2時間の舞台に仕上げた。中だるみもあり、いささか欲張りすぎて拡散した感は否めない。
    青果鹿らしいシンプルでも濃密で楽しい作品を期待していたのだが。澤藤さんの作風は好きなので、今後も観続けたいと思う。

    ネタバレBOX

    冒頭、サーカス団の女たちが歌い踊るマイム・マイムで賑やかに始まる。
    女たちは女装した男優で、会場スタッフも彼らが勤めているため、登場に意外性がなくなる。
    どうせなら、お練りのように客席からビラを配りながら音楽に乗って登場させ、舞台に上がってから踊らせたほうがよかったのでは、と思った。
    サーカス団、騎士、火山研究所と3つのグループがあり、俳優は1人何役も兼ねているが、ブドリ(樋口浩二)とネリ(大竹夕紀)の生き別れの兄妹の物語や、重要なテーマであるブドリの自己犠牲のテーマがすっかりかすんでしまったのが残念。
    春に同じ劇場でチョコレートケーキが上演した「サウイフモノニ・・・」という同じグスコーブドリの伝記を題材にした芝居と比較して観た人も多いかもしれない。上演時間もほぼ同じだが、軍配はチョコレートケーキに上げざるを得ない。
    ネリとサーカス団長とのハッピーエンドにより、ブドリの悲劇がいっそう分断されてしまっていた。ブドリが北守の騎士となって以降は登場場面がなくなり、火山局長(白石里子)とブドリの友情関係も観ている者に伝わらないので、感動が盛り上がらないままに終わってしまう。盲目のブドリを樋口が好演していただけにもったいない。
    ブドリと共に旅を続ける狐のとら子(いまいゆかり)やサーカスの女調教師(遠藤紀子)の存在も中途半端な描がかれ方。村田弘美(万有引力)、今村美乃、渡邊亜希子の悪ガキトリオが面白く、本作でもっともワクワクしたのは、3人が「ギザギザハートの子守唄」を歌う場面だった。村田と渡邊は、ほかの芝居に出ているときと違う一面が見られて嬉しかった。今村は美しいので、ヒロインで観てみたい女優だ。ドランクドラゴンの塚地そっくりな鈴木勇輝のオパール男爵まで女装趣味にする必要はなかったのでは。アングラっぽい森一のサーカス団長も印象に残った。
    もっと面白くなりそうな作品なので、大幅に改定していつか再演してほしいと思う。
  • 満足度★★★

    みんな楽しそう!
    途中、女優さんがプッて噴いていましたが、あれ本当に可笑しかったんだろうと思います!

    ネタバレBOX

    電信柱、馬の着ぐるみ楽し。

    賢治のキャラクターがたくさん出てきて、ごちゃごちゃして、最後ブドリが火口に入って行って何とかまとめましたってことで…。

    上手から下手へ伝書鳩が通り過ぎましたが、「かまどの虫」の犬のおもちゃを思い出しました。動物の小道具ネタがお決まりなんですね!

    それにしても最近の賢治ブームには少し食傷気味です。

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