満足度★★
異種交流会は見事に空中分解!?
ロック歌手と宝塚とコンポンテトラリダンサー、全く畑の違う
土壌で育った逸材が一つの舞台に立つ芝居。
異種交流の組み合わせの芝居って、生ハムメロンのように
不思議な化学反応を起こして
魅力的な空気が流れる場合が多いけど、
今回は不幸にも見事に空中分解してしまっていた。
プラスの酵素は働かず、後味の悪い支離滅裂な芝居になっている。
個々のパーツは悪くないんですよ。
特に、初めてみたんですがAccess貴水は、
期待を遥かに超える器用さでユニークでキュートな
キャラクターを作り上げている。
歌も、ロック調で金切り声を想像していましたが
いやいや落ち着いた低音を持っており、高音も太い声で
聞かせてくれる。これは、かなり嬉しい拾い物。
フィギアのようになっていっている安寿は
いつものように「高め」の女性像を安定して作っていて
「私を見て!私って素敵!」オーラをバンバン放っている。
僕は、このコンポンテトラリダンスってものが
よくわからないから、森山の踊りが上手いのか下手なのか
型にはまっているのか、何なのか良くわからない。
こないだの「となり町戦争」の男もそうだけど。
でも見た目が格好いいわけじゃないし、
歌も芝居も出来ないんだから、きっと踊りは上手いんだろうな。
でなきゃ人前に立てないだろうし。
そんな組み合わせが揃って、誰か芯になる人がいればいいんだけど
みんな「自分が主役!」とばかりに、lてんでばらばらに
芝居を進行していくから、全く面白みがないというか味わいが
ないというか、共感できないというか、芝居に入り込めないというか、
見た目のアンバランスさで肩が凝ってしまいました。
1人あたり3000円程度の魅力はあるんだけど、
それが3人揃ったからといって、9000円になる訳じゃないんですよ。
この料金は高すぎる。
満足度★★★
面白いことは面白い
うたい文句の「抱腹絶倒」は明らかに誇大広告。
ただコメディにはなってるし、面白いことは面白い。
森山開次のダンサーならではのしなやかさを伴った演技は大変興味深い表現方法。ただ、彼もそうだし、安寿ミラもそうだが、自らの持つチカラの全てを舞台で披露して盛り立てて欲しいと感じる。
もっと面白く楽しい舞台にできるんじゃないかと思う。