ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010 公演情報 ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
21-24件 / 24件中
  • 満足度★★★★★

    観劇「15 Minutes Maid」
    まず裏から入り,エレベーターで地下1階へ。なんか怪しげな受け付けがあって,待合ブースに案内される。なんか怪しげな風俗店みたいな感じ。ヘッドフォンを渡され,CDで案内を聞く。前にいた客が案内され,次が自分の番となる。もうこの時点で心臓はドキドキ。去年も観劇しているけど,慣れないなぁ。お目当ての原田優理子さんを間近で観れると思うと暴発寸前(爆)。で,観劇するが,あ!という間の5分間。ただ5分間とはいえ中身が濃い。終わったときには凄い脱力感に襲われた。ふー,ZOKKYは心臓に悪い^^;また,初心者には絶対オススメできない。それが異性の友人ならばなおさらである。

  • 満足度★★★★

    ヌキバカ 「ワイルドオタッキー」
    1?15

  • 満足度★★★★★

    なんて素敵な演劇祭!
    ZOKKYのぞき部屋演劇祭2010の第一陣、「15 Minutes Maid」「極めて美しいお尻」「ワイルドオタッキー」を観た。面白い、面白すぎる。

    たった5分で何が出来ると舐めていたが、5分だからこその世界がそこにあった。通常の演劇公演に比べてキワモノではないかと思ったが、観終った感想としては、こちらの方が本物ではないかとさえ思った。

    現在の演劇が失った見世物小屋のわくわく感、ちょっといけないものを観るという背徳感、そして視覚的にえも言われぬ刺激がある。まだ3本観ただけだが虜になったと言っていい。

    ネタバレBOX

    なにしろ役者の顔が10センチ先にあったりするのだ。特に美女が登場するとほんとうにどきどきする。

    円形の筒から見える範囲をよく計算しており、遠近感が物凄くある。一番遠いところで2メートルくらいか、そこはもう全身が見える。一番近いところは、もう壁がなかったらキスをしているような感じ。

    この演劇祭を主催する小林タクシー氏には、個人的に表彰状をあげたいくらいだ。
  • 満足度★★★★

    5分間のワンダー。
    ZOKKYの超ラグジュアリーなR&Bナンバー『エロスの解剖』を聴きながら現地へ。当方、ZOKKYは初見です。観劇したのはヌキバカ『ワイルドオタッキー』。
    何となく全力でアホをやってるテンションが高い感じの作品なのかなぁなんて想像していたのですが私のこの考え、相当に野暮でした。
    『わたしだけがそれをみている』という特別な感覚が、空間に一歩足を踏み入れるとぐわんと身にせまってきて。
    美しく色鮮やかに塗りこめられていくとびっきりの嘘や、愛欲にまみれた乞食などに板挟みにされた窮屈な現実が生きるか死ぬかのオセロゲームをしているようで。息をつく間もなくファンタジアに出会うのです。
    そしてファンタジアの可能性を追求した超ウルトラ立体構造のフレームワークにもノックアウト。
    たった5分、されど5分のワンダーランド。必見です!

    ネタバレBOX

    王子小劇場を右目で見送りぐるりと迂回し王子小劇場裏口へ。B1へとつづくエレベータのボタンを押してしばし待ち。扉が開くと、エレベータのなかには天井からミラーボールが吊り下がり、その足元にはスポットライトが取り付けられていて。(←ちょっと手狭なワンルームディスコ状態で。笑)まさかここでZOKKY??とおもったのもつかの間、何なくエレベータはB1Fへ。あのミラーボールは一体何だったんだろうか・・・。という疑問を残しつつ、タキシードに身を包むシュっとしたスタッフに迎え入れられる。足元には赤いビロード、その周りに電飾がキラキラ光ってて。アレ?来るところ間違ったかしら。なんて一瞬おもった。そういえば、ZOKKYの先行予約を購入した際に封入されていたMUのハセガワアユムさんのCDレビューに『まるで六本木の間接照明で照らされているようなラグジュアリーさが・・・』って書かれていることをふと思い出し、なるほど合点がいった。

    受付を済ませるとスタッフの方からヘッドフォンが渡された。しばし装着。近未来的なエレクトロポップミュージックを数曲聴いた後、名前が呼ばれた。超緊張する。なんだか特殊な治療が施される診察室へと誘導されるような気分。笑 赤いビロードをてくてく歩き、数段階段を上がった小部屋。いよいよ鉄の扉が開かれた。事前に目を通しておいた観劇の際の諸注意を反芻する。
    『足元に描かれている足の形にあわせて両足を乗せて待ち、前方から壁がせり出してきたら壁の中央部にある穴から覗く。』

    扉が閉まった途端、ZOKKY・・・と数回エコーがかかり、中央部に不思議な黒い幾何学模様がペイントされた白い壁の上方部にピンク色の艶めかしい雰囲気のスポットライトが点滅し、それを盛り上げるようにして左右に橙色のスポットライトが数回踊るオープニングの後、本編がはじまった。

    物語は、ある主婦のモノローグから始まる。
    彼女は昨日娘のサクラを保育園に預けた後、不倫相手の男とホテルでふしだらな行為に耽っていた。どんな風にして冒されたのか。その感触を確かめるようにして、ゆっくりと身体のパーツに触れていく。そうして男との思い出も心の中へとよくなじんでいくように。

    そんな彼女は大手家電量販店に只今絶賛パート勤務中である。ふしだらに花開いた妄想をあっけなくフロアチーフにへし折られ、AV機器売り場への販売応援を指示された。
    「AV?」
    AVはアダルトビデオの略であると自動的に脳内変換した主婦の妄想は芳醇な花の香りを放つランジェリー姿のうら若きAV女優として立ちあがり、彼女の現実を押しのけて覗き人の目に飛び込んでくる。(←主婦の若かりし頃の幻影、叶わなかった願望(イメージ映像)、さらに覗き人の願望が三位一体となったスゴ技!笑)

    欲望が新たな欲望を呼び寄せるかのように、彼女の背後に影をひそめている現実の裏側、深層心理に眠りつづける妄想の扉が開かれると緑色の怪しい光に照らされた、四つん這いになった女が振り子のように規則正しく尻を振り、見知らぬ誰かによって鞭で叩かれ喘ぎ続けているかのような光景が広がる。彼女の冒されたいという欲求は、愛されたいというこころの叫びのようだ。
    彼女の背後の奥へ、奥へと無限に続いていくような赤いビロード上に厳然と続いていく長い階段は、苦しいことが積み重なった開かずの扉のようであり、また一度足を踏み入れるともう二度と戻ることができないが、ほんの少しの間だけ何度でも夢を観ることはできる魔法の扉。魔界の入口のようであるようにも思えた。この場面が私はこの作品のなかで最も幻想的だと感じた部分である。

    ただ、現実を隔てたその向こう側に見とれてしまったが故に、フロアチーフが歌い出したあのカラオケが何のことやらすっかり忘失してしまった。(←苦しい言い訳)しかし、あのフロアチーフはやたら目線を合わせてきたし、そればかりか覗き穴から飛び出してくるほど顔を近づけてきたので、もしかしたらここが作品のなかで最も重要なシーンだったのかもしれないのだが。汗

    さて、妄想と板挟みになり、というよりもむしろ妄想にひきずり込まれそうになっていた主婦の現実はこの後、ひとりの『オタッキー』によって救われる。

    彼が「DELL コンピュータは販売しているか?」と尋ねてきたのである。主婦をバックショットにしてわざと表情を見せない演出がとても憎い。(自分の脳内にはこの瞬間、相対性理論の「らぶずっきゅん」が掛かりました。)

    「・・・・でる?」
    その言葉を聞いた途端、暴れ出す彼女のなかの妄想たちは『ヌキバカ』らしくはっちゃける!
    いわずものがな、AV(女優、ビデオ&機器)浮遊のDELL(パソコン&射精)着地。

    個人的には、でる・・・・?で主婦がオタッキーをさらって(←逆のパターンも可)駆け落ちとかしてしまうほうがファンタスティックなのに!とかおもったのだけど、主婦の妄想劇だから、それはないか、と勝手に納得。

    この作品を選んだのは、やはりワイルドなオタッキーがわさわさ出てくるだろう!という勝手なイメージが先行していたこともあって、案外オタッキーが普通っぽすぎて、ちょっと肩透かしを喰らってしまった。ワイルドになれないオタッキーを表現してたのかな。だとしたら、オタッキー側からの視点もないと辻褄があわないような・・・。ともあれ、こういうのはあんまりリアルすぎると切実すぎて、おもしろさが半減してしまうのかな。

    しかし覗くということが、こんなにも楽しいものだとはおもってもみなかった。
    最初からドキドキワクワクしっぱなしで。
    まばたきをする度に1ショットづつ場面がぐるぐるとメリーゴーランドのように展開していく緻密な構成――カットイン/カットアウト、フェイドイン/フェイドアウト、クローズアップ、早回し/長回しなどすべてを俳優の距離感や存在感で表現する演出が挑発的で舞台空間におけるフレームワークの限界に挑戦しているようにもおもえた。
    そしてやはり何といっても俳優がこちらを見つめる瞬間が格別!!
    いやはやこれはクセになりそうだ。笑

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