甘神 公演情報 甘神」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★

    気分が沈む。
    なんかこう…すごくドロドロした感情に振り回されて見ていてどんどん苦しくなりました。
    「あ、私にもこういう所ある」って気付いた時、蓋をしていた筈の心の奥の暗闇を思いっ切り抉られるんですよ。
    笑いの要素もあるんだけど、ジワジワと暗い方へと追いやられるんですよ。
    最後は虚無感、焦燥感しか残らない。
    「え?これで終わり?」って感じで、辛さを引きずったままスタジオを後にしました。
    毎回、保坂ワールドから抜け出すのには時間がかかります。

    ネタバレBOX

    「ツンデレなんですよ」
    って氷上さんが楓ちゃんを紹介して
    「あぁ~」
    と、他キャストが声を合わせる所
    ツボりました。
  • 満足度★★★★

    ちょっと見づらかったかな
    面白いと感じるが、各キャラの書き込み的なものが少し足りないかと感じ、物語の中に入り込むというより、俯瞰で見てる感じ。
    また、セットについて縦長(花道的な舞台と言った方がいいか)にしていたが、ちょっと見づらかったかな。(あまり必要性も感じられなかった)
    とは言え、楓(見上寿梨)、春駒(塚田まい子)、きび(鴇田智美)の嫉みや嫉妬など人間の欲的な部分の描き方はなかなかでした。、

    舞台セットいうかセット奥に描かれている絵や、衣装は相当綺麗でした。

  • 満足度★★★

    甘いけど甘くない話
    主人公の女性役の人の演技がよかったので、よけいに気分が重くなった。
    身勝手で弱くて満たされなくて何かを求めても、何が必要なのかわかってなくて、そんな人達が吸い寄せられるようにカルトな集団に身を寄せていく。

    無機質かつスタイリッシュな衣装やセットが、登場人物の内面との不思議な融合をはたしているように感じられた。

  • 満足度★★★★

    なるほど美術家集団
    前作とはがらりと趣を変えユーモラスでありながら、むしろその分ラストの喪失感が際立つような。

    また、その喪失感を「目に見せる」シカケやファッションショーのランウェイのような形状の舞台、背景の細密画(?)など、なるほど美術家集団、的な。

  • 満足度★★★★

    くっきりと貫かれた視座
    物語を貫く視座がしっかりとしていて、
    しかも見せ方に
    迷いがなく洗練があって。

    その展開が明確に伝わってきました。

    ネタバレBOX

    会場に入ると
    いつもとは違う雰囲気のサンモールスタジオ。
    舞台美術の美しさにまず目が行く。

    開演するとブランクの舞台、
    そこに二人の女性が偲びこんでくるところから
    物語が始まります。

    そのうちの一人が連絡の取れない彼氏を追いかける。
    そして彼を見つけたところはマルチ商法の世界。

    流れの中に折り込まれた
    女性の心情にぶれがないので
    観る側が物語の展開に戸惑うことがない。
    女性が事実を知るに従って
    すりガラスのような質感を持った舞台が
    次第に透明度を持ち、
    彼氏に引き込まれる態でその世界に入り込んでいく
    女性から見えるものが明確に観る側に伝わっていきます。

    光を持った舞台の絵面が本当にきれい。
    衣裳の美しさにもストレートに惹かれる。
    ファッションショーのように展開していく
    役者たちの動きが
    観る側の目をすっとさらっていく。
    その輝きは砂糖のマルチ商法が放つ蠱惑的な光の
    具象化のようにも思えて。

    その中で、
    マルチ商法に取り込まれていく側の人間の姿が
    スタイリッシュさに塗り込められることなく
    とても丁寧に重ねられていきます。
    舞台上の透き通った感触はさらに研がれ
    マルチ商法の光の先にある
    影の部分までもさらけ出していく。
    舞台の美しさ故に
    冒頭の女性の視点から見える
    マルチのメンバーたちの姿に
    それぞれが抱える
    自我やブランクの部分の
    あからさまな陰影が浮かび上がっていきます。

    終盤、
    角砂糖が崩れるようにマルチ商法が終焉を迎える中
    女性の視野が彼女自身にフォーカスされて
    女性自身の虚を埋めていたマルチ商法の砂糖が流れ出す。
    舞台上に貫かれた彼女の内心に
    観る側もしっかり巻き込まれているから
    砂糖が流れたあとの彼女の虚、
    あるいは孤独、
    立ちすくむような何もなさが
    ファッションショーのまばゆい魅力と同じ力で
    歪みなくそのままに伝わってくる。

    女性を演じきった役者のぶれのないお芝居に瞠目。
    さらには女性の目に映るキャラクターを組み上げた共演者たちにも
    リアリティにとどまらず女性が観た色を作り上げる力量を感じて。

    終盤のあたりでは、
    作り手が舞台の美学を貫きすぎて
    わずかに淡々とした質感が強くなりすぎているかなという
    印象はありました。
    でも、観る側が意識はしないけれど
    その質感だから伝わってきたことも
    たくさんあるようにも思えて。

    ビターな物語ではあるし、
    素になって考えれば、
    女性もけっこう面倒くさいタイプだったりするのですが、
    女性の感覚を無駄なノイズにしない舞台の洗練に
    キャラクターが抱える
    絶妙な明暗のバランス感が醸し出されて・・・。

    時間を忘れて見入ってしまいました。

    ☆☆☆◎○○▲△











  • 満足度★★★

    甘い考え/甘くない世界
    マルチ商法にはまって行く若者たちの心の弱さや身勝手さが描かれていて、チラシのビジュアルや説明文のイメージとは裏腹に、シリアスなドラマとなっていました。個人的にも、マルチにはまって疎遠になってしまった友達がいるので、共感できる話でした。

    ある女性の彼氏が姿を消して、探し出すと宗教じみたマルチにはまっていて、彼を助けようとしてるうちに彼女もその世界にはまってしまい、当初の目的が忘れ去れているという物語で、登場人物全員が悪い方向に向かって行く救いのない雰囲気がリアルでした。

    登場人物のネーミングが「甘さ」や「白」に関連付けられているのがアイロニカルが面白かったです。ファションショーのランウェイを模したセットや照明、音楽も浮ついた気分を表現するのに合っていたと思います。小道具の白い箱も角砂糖、ダンボール箱、椅子と様々な意味を持たせて上手く使っていて良かったです。

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