あの春の約束を歩き出す君のために2023 公演情報 あの春の約束を歩き出す君のために2023」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    鑑賞日2023/02/10 (金)

    中野ザ・ポケットにて東京印『あの春の約束を歩き出す君のために2023』を観劇。
    初見のカンパニーでしたが、客席に一歩足を踏み入れた瞬間、ステージ上にそびえ立つ古民家のような造りの舞台セットが目に入り、いきなりテンションが上がりました。 玄関、廊下、居室、庭などの間取りに加え、家具や小物など、細かな部分まで凝っているセットは圧巻。しかも、このような昭和レトロな雰囲気のセットは個人的にも好みのテイスト。このセットを見るだけでも価値があるなと感じました。それくらい惹き付けるものがあったような気がします。
    「~あなたが大切な人に届けたいものはなんですか~」というサブタイトルが付けられたこの作品は、下宿屋「桃山荘」を舞台に繰り広げられる人間ドラマ。過去にシェアハウスを舞台とした作品は何度か観たことがありましたが、この作品も似たような雰囲気を感じました。年齢も性別も趣味もバラバラの人々が一つ屋根の下、共同生活を送っているという設定は、何かが起こる予感しかなく、ワクワク感が高まるのです。
    しかし、いよいよ本編が始まり、キャラの濃い人物達が次々に登場してきたのですが、、。確かにひとつひとつのシチュエーションはユニークで、それ単体で見れば面白いものの、間の取り方の問題なのか、あまりにも一定のテンポで進行する各シーンに、逆に違和感を覚えてしまいました。もともと台本ありきで進むフィクション作品に求める部分ではないのかもしれませんが、日常生活を映し出したドラマであれば、もう少しテンポに変化が欲しかったような気がします。順番に次から次にポンポンと台詞が出てくる会話劇は、見ていて飽きない部分はあるものの、いかにも演じているだけという作品にも見えてしまい、若干感情移入がしにくいような印象を受けました。実際、サブタイトルに込められたテーマよりも、賑やかなドタバタコメディーだったという感想の方が先行したような気がします。ウケを狙ったキャラ、台詞が多く、じっくり楽しむというよりは勢いで一気見するような感覚。また、暗転が多く、各エピソードに繋がりが見えにくいようにも感じました。単に面白いシチュエーションを詰め込んだだけのような、 短編のオムニバス作品を観ている感覚に近いような…?
    冒頭に書いた豪華な舞台セットに関してももう少し活かして欲しかったかなと思います。全体的なセットは勿論ですが、奥の部屋や隣の書店の部分などを含め、とてもしっかりと作られているように見えたので、その辺をもう少し見せるシーンがあっても良いような気がしました(個人的に見たかったです)。
    舞台の雰囲気、BGMの雰囲気、フライヤーの雰囲気、タイトルの雰囲気と、内容が若干合っていないような印象を受けましたが、個々のエピソードは面白く、熱量の高い作品だと感じました。

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