満足度★★★★
「生き死にに他人も何も関係なかろう」
昨年の池袋演劇祭大賞受賞作品の凱旋公演で、若干の改訂はあれどほぼ初演通り。
11月15日夜の近江屋から雷鳴と共に時空を超えて現代に来た龍馬が若者たちに「生き方を見せる」物語、お得意のファンタジック・コメディ的な部分も含めてやっぱりよくできている。
時に今回は「生き死にに他人も何も関係なかろう」という龍馬の言葉が心に響く。
前々日の『草奔崛起』なども含めて幕末は、斬り合いだの藩の命によっての切腹だのと、他者(の意思)によって命を奪われることは多かろうとも、自らの命を絶つなんて滅多になかったろうから。
これもしばらく経ってまた観たい作品である。
満足度★★★★★
最高の充実感
面白くて、楽しく、ちょっと切なくて・・・。さすがに大賞(第21回池袋演劇祭)を取っただけのことはある!!最初から最後まで徹頭徹尾エンターテインメントを貫いており、幕が開く前から役者が登場、前説なのに小芝居を打って観客の笑いを取りつつも注意事項をさりげなくアピール。嫌味がなくてうまい。さて幕が開くと、観客をひとときの異次元へと誘ってくれた。満足感に浸れた内容で時間の経過が嘘のように短く感じるほど。演じている役者が楽しそうにみえたのもよかった。役者が楽しんでなければ観ているほうだって楽しめないものだ。幕が下りた後の、次回作の予告さえもしっかりと演出されており、「ん?」まだ舞台の続きがあったの?と思わせる楽しさ。ファンタジーも盛り込まれており、大人から子供までが心豊かになる要素を隠し味にしている見事な脚本。見ていて痛快な小気味よさもあるし、演劇のすべてが盛り込まれている感じがする。この劇団、文句なしに楽しめる!!
心も洗濯(柔軟剤入り)してるぜよ!
もう評価も実績もあるせいか、荒削りなものから感じるハラハラ感はないけれど(良い意味でも悪い意味でも)、きめ細かに工夫された内容はしなやかで、気持ちのいい完成度でした。