満足度★★
大方満足だが大きな減点要素も
かなり昔に観て面白かった記憶はあったもののいくつかの場面と基本設定以外はほとんど忘れており、こうして改めて観たら前年に観た『間違いの喜劇』と設定がソックリなのにニヤリ。
しかしここまで似ていたとは。さすがの沙翁にも「手を変え品を変え」には至らず「手を変えるも品は変えず」あるいは「手は変えず品だけ変え」にとどまった作品があるのね…(笑)
とはいえ、いろんなスタイルの勘違いや想いのスレ違いが交錯する内容はやはり愉快で、兄妹の再会を筆頭にあれこれが丸く収まるハッピーエンドも心地好いのでかなり満足。
おっと、内容だけでなく、動作が独特で歌も巧い道化を筆頭とした出演陣もそれぞれハマっていて見事。
がしかし最近よくある翻案やアレンジものと違って古典的なスタイルの演出なのに、動きだけならともかく「ムーンウォーク」「EXILE」なんて単語を口にしたり「世界に一つだけの花」「また逢う日まで」「さよなら」のような現代の曲を使(歌)われたりすると違和感を禁じ得ず、その度に現実に引き戻されて醒めてしまうのが残念。
ましてやオープニング(とエンディング、さらに途中も)がリュートの生演奏なのでそのギャップもあり評価半減と言っても過言ではない。何故そんな中途半端なことをするのか理解に苦しむ。