歌舞伎の心意気
鑑賞教室ということで、初心者にわかりやすいよう一部は歌舞伎の解説や紹介、二部を「鳴神」の構成であった。
一部がまた非常に面白い。普通、解説とか聞くと退屈な香りがぷんぷん漂うが、 「観客を楽しませよう」という歌舞伎の精神がよく表れており、もう驚きの連続。幕が上がった瞬間から、三日月の映し出されてたスクリーン、回り舞台が回りながらセリが上下し、奥行き広い国立劇場の機構が観られて、それだけで劇場の神秘性を感じる。
舞台体験として、桐朋女子の高校生が二人舞台上にあがり、太鼓で滝の音や雨の音を鳴らしてみたり、振り袖を着て女形の歩き方をやってみたり、それは観ているだけでも、十分に楽しめるもの。隈取りをした役者が出てきて、歌舞伎のしゃべり方をしているのに、解説の歌舞伎役者は「あ、そう」とか「それで?」と現代口語で対応していて、妙に滑稽だったり。「歌舞伎ってのは古めかしいだけじゃないんですよ。民衆に楽しんでもらうために存在しているんですよ」という思いがとてもよく伝わってくる。そして実際に面白い。「観客を楽しませる」その心意気が、これまで歌舞伎が発展してきた支柱を成しているのだろうなあ、としみじみ思った。
二部は「鳴神」の芝居。20分の休憩のあいだに舞台美術ができあがっているのも、演劇のすごさ。さっきまで素舞台だったのに、もう山奥の社の美術となっているのだから。言葉はところどころわからない。でもそんなことは気にならず、話は追えるし、くすりと笑える。想像力も大きく刺激される。圧巻はラスト。鳥肌ものの終盤の盛り上がり。ただ物語の羅列をするのは好きではないので、ここでは控える。
今回は招待券だったものの、定価でも学生1300円である。安すぎる。「行政の支援を受けた面白い芝居がこんなに安値では、どうにも小劇場の立つ瀬がなくなる」だとか、「それほどまでに安く面白い芝居があるのに、一般にはその存在すら知らない人たちばかりでもったいない」など、もはや作品と関係なく作品外で思うところが多々あった。
満足度★★★★★
行かなきゃ損
パンフレット無料、丁寧な作品解説付き、日曜日なら賑やかな学生さんはほとんど居ない、お弟子さんも大活躍。。ここ数年、もしかすると歌舞伎座や演舞場よりも満足させてもらっているかもしれません。何と言っても愛之助丈の鳴神上人と孝太郎丈の絶間姫が、20年くらい先に定番になっているかもと思わせてくれる、すばらしい出来でした。同じ松嶋屋さんで義理とは言え従兄弟同士ですから、役の色合いがうまく合っていると感じます。解説の宗之助丈(愛之助丈とは同い年)も素敵でしたが、坂東三津五郎丈のお弟子さんの三津之助丈が大活躍。本興行ではまずお目にかかれない大役を見事に演じられていたのが、何よりうれしく、大満足です。
満足度★★★★
歌舞伎教室はお得
歌舞伎教室は、歌舞伎役者さんによる基本の解説などがあり、とてもよい試みです。演目も初心者でもわかりやすいものを題材にしてあり、19時スタートで21時終了と時間的に観ても適当であり、料金も3800円と手ごろです。歌舞伎座に合った幕見のような感じで気軽に楽しめます。鳴神は歌舞伎十八番のうちであり、楽しんでみることができました。
満足度★★★★
歌舞伎講座
公演の前に、歌舞伎のみかたという講座がとっても分かりやすくて、良かったです!
作品も、さすが!という感じでした!
能よりも歌舞伎の方が好きです!
受け身が見事でした!