走馬灯秋麗 公演情報 走馬灯秋麗」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    なるほど三大戯曲の1本
    長谷川伸三大戯曲のうちの1本と言われる「中山七里」をほぼそのまま(←関係者談)上演したそうで、しかし古さを感じない…と言える一方でいかにも昭和の時代物、な雰囲気(様式美?)もアリ。
    まず表面的な部分では、前半の江戸での物語は基本的に前面のみを使い(下手後方の紗幕を使ってイメージショットを見せるのも効果的)主人公が逃亡した高山を描く後半はすべて屋外(峠かな?)ということもあり奥まで使うというステージの使い方や、大工である主人公が仲間と普請をする場面で柱を立てたり障子戸を設置したりして次のシーンの装置を組み立てるのが面白い。
    そんな演出で語るストーリーは全体に切なさが漂い、ヒロインが自らの命を絶つのは哀しいが、元凶たる男は殺されるし(ちょっと過激)、その手先となった岡っ引きは根は悪いヤツではないことが判明する(どころか気の毒な一面もある)し、一旦は逃亡した主人公が最終的には自らお縄にかかる結末も道徳的だし、なるほど三大戯曲の1本だけによくできている、みたいな。

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