満足度★★
前半は冗長な感なきにしも非ず
相方が「葉っぱ」で逮捕された(再演なのに何とタイムリーな!)上に妻とも離婚というお笑い芸人・響のファンでもある制作会社の女性ADが彼のドキュメント番組を撮ろうとして…という物語、彼以外にも大なり小なり「ふしあわせ」をかかえた人物がいて、重くはないものの、前半は冗長な感なきにしも非ず。
がしかし、終盤でそれまで複数の不幸に見舞われがらも飄々として受け流しているように見えた響がお守りを見てフト「これ持ってたら幸せになれるかな」ともらし「みんなで買いに行こうよ」と言う場面は白眉。
一見「コイツ、カワイくねぇな」だったのが実は虚勢であると判明し、ガラリと印象が変わるもんなぁ。しかもその後、さらに悲しい出来事も起こるし。
で、番組制作も頓挫し、響の家に同居していた後輩芸人や友人も去るエピローグは、そんなこんなもすべて柔らかく受け止め、「一つの終わりは新たな始まり」的に優しく包み込み、切ないけれどもふんわりと着地する、な感じ。
まぁ、最後の「花」はありがちな上に、少なくともσ(^-^) の席からは開花しているのが見えてしまったのが残念なのだけれども。
また、もう少し前半を整理できるのでは?という気持ちは払拭できず。(だって本編140分ですぜ)
満足度★★
いかんせん、オーラがない
才能あふれるコメディアンが不幸な環境になってしまい、
仕事干されていて・・・って。
昔の爆笑問題を、ちょっと重なるような設定ではあるんだけど、
なにせ、主役の永山たかしにオーラがない。
天才肌の空気も、狂気も才能も感じられないので、
話の芯がしっくりしない。
つまらないギャグや仕草は、全て空回りし、
とっても寒い空気だけが劇場を包む。
まず、いろんな人が惹かれるような魅力を感じないから、
何で、この人のために動くのか、
この人から影響を受けられているのかが
感じられない。
堀江氏は、何か奥に秘めたアイデアを持っていて
じわじわ伝えていたのかもしれないが、
秘めたアイデアは秘めたままで、結局何も感じることもなく
凡長に幕は閉じられました。
流行のお笑い、ブームな話題を背景に、
口当たりのよい作風で仕上げているように見えるせいか
客席は満席でした。
ベタなタイトルの割りに、あっけんからりとした
すがすがしさもなく、
退屈な作品でした。