ひゃくねん~『夢十夜』断章~ 公演情報 ひゃくねん~『夢十夜』断章~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★

    理解しなくてもいい世界
    夢も現も、うたかたの出来事と思わされる夢の一片物語。
    つじつまが合わないところも、夢の出来事だからと気にならない。
    100年の約束を繰り返し、時代は2009年まで。

    カルトテイストの作品で苦手分野ですが、なかなか楽しめました。

    ‥が、観劇する環境が。ささいな文句はネタバレへ

    ネタバレBOX

    この公演は、全席自由なのですが、なぜか左ブロックの1列が
    「予約済み○○様」の紙が。そしてそこにやってきた母親らしき
    女性と子供が2人。障害者の方向けに確保した席でもなさそう。

    そしてその4・5歳の男の子が、開演前からもう飽きてじっとして
    いられない様子。立ったり床に座ったり。不安がよぎります。

    そして不安は見事に的中。
    劇中、母親に話しかけたり、立ち上がったり、逆向きに座ったり、
    片時もじっとしていられない様子。たぶんその子の周囲の人は
    気が散ってお芝居に集中できなかったんじゃないでしょうか?

    未就学児童と判って予約席を受け入たなら、出口に近い席とか
    観劇の環境を守る努力をして欲しいものです。ぼくの前に座った
    おじいちゃん、前列の座布団席で終始かなりきつそうだったのに
    そういう身体の自由のききにくい方にこそ「関係者席」を作って
    あげればいいのに、と観劇中、ふつふつと怒りが沸き上がり。

    全席自由席で、たまたま常識のない子連れのバカ親が中央席を
    陣取ったなら、それは劇団にとっても災難な出来事だけれども、
    全席自由席の中で「特別に」予約席を劇団が用意したところに、
    騒音マシンのガキんちょを座らせることを大目に見るなんて、
    この劇団の、観客へ対する配慮の方に疑いを持ってしまいました。

    たぶんこの劇団の名前を聞くと、怒りを思い出してしまうので
    よほど魅力的な演目か客演がないと、足は運ばないと思います。

    親も親だ。おとなしくない子供連れてくんな。演劇以外の趣味を持て。
  • 満足度★★★

    のぞきからくりのようで猥雑な楽しさ
    初見で初日観劇でした。
    観劇日は、狭い空間ながら
    すし詰め状態ではなく、ゆったり観劇できた。

    のぞきからくりを見るような楽しさがある芝居だった。
    見世物小屋のような猥雑さもあり、良い意味で
    B級映画のような感じの作品だと思った。

    広告をとってカラーパンフレットを制作した努力は
    評価するが、配役が載ってないのは不満。
    扮装しているとわかりにくい役もあり、一般的には無名の
    俳優も出ている。小劇場に馴染みのない客もいると思うから、
    個々のプロフィールを載せるなら、配役表もあったほうが親切
    だと思う。

    ネタバレBOX

    比較的原作に忠実で、映像化よりも舞台化が難しいと思われる
    作品にチャレンジした努力を買いたい。

    劇中の終盤、女が男に100年ごとに出会っているようなことを言うが、
    劇を見ているだけでは原作とは違い、神代や、鎌倉時代の感じに
    は見えないので100年ごとという意味が伝わらなかった。
    夢の中の話なのでかまわないと言えば、そうなのだが。

    のぞきからくりと言ったが、会場が狭いので、登場人物が多い場面は
    ドタバタ動いて見える難点もはらんでいる。

    紗幕を使い、“時の妖怪”のようなのが出てきて、狂言回しを勤めるが、
    この不気味さが良かった。

    俳優では古山憲太郎に存在感があり、男としての色気もあり、
    魅力ある俳優だと思った。

    男3人の友人の中で、紅一点で男役を演じた深月要。
    男優に混じってもさほど違和感がなく見えたのはお手柄。
    実年齢はまだ18歳だそうだが、芸歴が長いせいか、宝塚の男役で脇の
    芝居のうまい若手クラスのレベルにはなっている。

    1人何役か演じているが、見世物芸人役の野原剛の「蛇になる」と言う
    いかにも人を食ったような演技が面白かった。

    創設メンバーの一人の逢川じゅんは殺陣の多い時代劇でよく見る女優。

    今後、この劇団がどんな作品を取り上げるか注目したい。
    現在はチープ感が漂うが、今後もっと洗練されていけば、と思う。
    料金的には、劇団の知名度が低く、この規模の劇場の公演として
    はもう少し安く設定してもよかったのではと思いました。

    余談ながら、終演後、古山氏は観に来た自分のファンに
    合宿で買ってきた足柄土産を配布していた。ブログで予告していたそうだ。
    「自分は無名俳優」と宣言する謙虚な姿勢で、積極的に客演し、宣伝し、
    そこでまたファン層を広げていこうとする努力にも敬服する。
    自分の知る限りではそこまで徹底する小劇場俳優は少ないと思う。

このページのQRコードです。

拡大